はじめに
皆さん、教育実習というとどのような印象を持っていますか?
「小学生の時に教育実習生と遊べて楽しかった」「教育実習生は大学生だから親しみやすい」といった印象を持っている人もいるかもしれません。
一方で教育実習生が実習期間中にどんなことをするのか、実は知らないという人も多いのではないでしょうか。
今回は教育実習ですることについて、筆者の体験をもとに紹介していきます。
将来先生になりたい人や、大学で教員免許を取得したいという人は必見です!
目次
教育実習とは
教育実習とは、教職課程を取っている大学生が「先生」として2~4週間学校で過ごし、授業を教えたり学校の活動に参加したりすることです。
教員免許を取得したい人にとっては必ず通る道となります。
学校現場での「インターンシップ」のようなものと考えてもいいかもしれませんね。
ここからは教育実習では実際にどんなことをするのか、教育実習前・中・後に分けて紹介します。
教育実習前にすること
教育実習前にすること①:実習校を決め、実習の許可をもらう
教育実習では、自分の行きたい学校に勝手に行ける訳ではありません。
まず第一に、自分が教員免許を取得する予定の種類の学校で実習を行う必要があります。
例えば中学校と高校の教員免許を取得する予定の場合、中学校もしくは高校で教育実習を行わなくてはいけません。
また教育実習校を決めたら、電話で担当の先生と連絡を取り、実習の許可を頂く必要があります。
国立大学の教員養成系の学部の学生の場合は、原則自分が通う大学の附属校で実習を行います。
それ以外の大学・学部の学生は、自分の出身校で実習を行うことが多いですね。
必ずしも出身校で実習を行う必要はありませんが、出身校であれば知り合いの先生がいることも多く、受け入れてもらいやすいからです。
筆者も自身の出身高校で実習を行いました。
教育実習前にすること②:どのように授業を進めるか考えておく
教育実習で授業をする範囲が決まったら、実際にどのように授業を進めるか考えておきます。
例えばノート中心で進めるか、プリント中心で進めるかによってもだいぶ授業の進め方が変わってきますよね。
筆者の場合は、自分の指導教官の先生のやり方を参考にしました。
学習指導要領や、教科書の該当する箇所をよく読んでおくことも大切です。
高校生の皆さんの中には、「学習指導要領」という言葉を初めて聞いた人もいるかもしれません。
学習指導要領とは、全国どこの学校でも一定の教育水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程の基準のことです。
学習指導要領には、各単元の目標や生徒に身に付けてほしいことなどが書かれているため、生徒の評価を決める基準になります。
実は学校の教科書や時間割は、学習指導要領を基に作られています。つまり、指導する上での大元と考えて良いでしょう。
また生徒は教科書をもとに理解を深めるので、教科書に沿って授業を進めることも大切です。
教育実習前にすること③:授業の練習をする
教育実習で一番肝心なことは、授業が上手にできるかということです。
普段先生方が円滑に授業を進めるのを見ていると、簡単そうに感じるかもしれません。
しかし生徒が予想外の質問や回答をすることもあり、実際に生徒の前でスムーズに授業をすることは意外と難しいです。
そのため、あらかじめ授業の練習をする機会を何回も設けて少しでも不安を取り除いておくことが大切です。
筆者の場合は、友達や家族に生徒役になってもらい練習しました。
相手のフィードバックや、友達の授業の練習の観察からも多くのことを学べましたね。
また教育実習では、各授業の具体的な指導計画である「学習指導案」や、どのように板書するかを書いた「板書案」を先生に提出しなければなりません。
きちんと学習指導案や板書案を作ってから練習すると、授業がしやすい上に、実際に学習指導案・板書案を書く練習にもなりました。
既に教育実習を経験した先輩や同級生に話を聞き、アドバイスをもらうのも良いですね。
教育実習中にすること
教育実習中にすること①:授業見学をする
教育実習が始まって、いきなり授業をする訳ではありません。教育実習の1週目は授業見学があります。
指導教官の先生の授業の進め方や発問はもちろん、授業中の生徒の様子や反応がどのようであるかまでしっかり観察して、メモを取りながら見学します。
きちんとメモを取っておくことで、自分がどのように授業を組み立てるかの参考になりました。
また授業は限られた時間の中で行われるため、1回の授業の流れを把握しておくことが大事ですね。
教育実習中にすること②:実際に授業をし、フィードバックをもらう
教育実習の2週目からは実際に自分で授業をします。
筆者も初めての授業はとても緊張しましたが、2、3日経つと自信がついてきて堂々と授業することができるようになりました。
良い授業をするためには、授業準備をしっかりしておくことが大切です。
筆者の場合は、1週目の授業見学で学んだことや学習指導案、板書案を元に授業を進めていきました。
また余計な緊張や授業での失敗を防ぐため、実習前の練習に加えて授業前にもリハーサルをしておきました。
あとは生徒の手本となるように、綺麗に板書することも心掛けていましたね。
生徒は板書を忠実に写すため、数学や理科の授業で図を描く場合は、特に気を付けていました。
授業後は先生からフィードバックをもらいます。筆者は自分の成果と課題を把握し、次回の授業に生かすようにしていました。
一緒に教育実習に参加している実習生と、授業をやってみて良かった点や改善点を話し合うのも勉強になりましたね。
教育実習中にすること③:生徒と積極的に会話する
皆さんの中にも「教育実習生とたくさん話せて楽しかった」という思い出がある人もいると思います。
筆者も「生徒にとっても思い出に残るような教育実習にしたい」と考えていたので、限られた期間の中で生徒と積極的に話すことを心掛けていました。
一緒に昼食を取ったり、休み時間に部活や学校行事の話をしたりはもちろん、勉強の相談に乗ったりもしていましたね。
生徒にとっても、教育実習生だからこそ話しやすいことがあるのではないでしょうか。
また教育実習の最終日には、生徒一人一人に会えたことに感謝し、お礼のメッセージを書いてちょっとしたプレゼントを渡しました。
教育実習後にすること
教育実習が終わったら、お世話になった感謝の気持ちを伝えるため、まず指導教官の先生と校長先生ににお礼状を書きます。
また記憶が新しいうちに、教育実習の振り返りをしておくことも大切ですね。
きちんと振り返りをしておくことで、実際に先生になった時に教育実習で得たことが大いに生かされると思います。
おわりに
教育実習ですることについて、雰囲気をつかんでもらえたでしょうか?
教育実習は思っているよりも準備・することが多くて大変です。
一方でその貴重な経験を通して、将来先生になりたいという気持ちが強くなった人も数多くいます。
この記事が教員免許を取得したいと考えている人の参考になれば嬉しいです。