英検1級のレベルを徹底解説!試験の概要から分野別のレベルまで

はじめに:英検1級のレベルをわかりやすく解説!

英語を中学や高校で学習した人なら、一度は「英検」という試験を耳にしたことがありますよね。

正式名称を「実用英語技能検定」というこの英語試験は、「実用英語の普及・向上」を目的として1963年にスタートし、今や誰もが知っている検定試験になりました。

その英検の中で、最もハイレベルなのが「1級」です。

「英検1級」と聞くとかっこいいですが、受験した経験のない人にとってはどんな試験なのかイメージしづらいですよね。

そこでこの記事では、英検1級のレベルを、実際の問題例を紹介しながら説明します。

英検1級のレベル概要:難易度・合格基準点・合格率・単語量・価値

英検1級のレベル概要①:難易度

まずは英検1級のレベルの概要を見ていきましょう。以下の図を見てください。

英検1級のレベル

英語を含むヨーロッパ言語には「CEFR(セファール)」という統一基準が設けられており、英検1級はその中の「B2」と「C1」の間に分類されています(詳しくはこちら)。

……が、私の実感から言って、英検1級に合格するレベルはどう考えてもC1以上です。

C1とは、英語の4技能(読む・聞く・話す・書く)について以下のレベルに到達している状態を指します。

  • 色々な種類の高度な内容を含んだ長い文章を読んだり聞いたりして、含意を把握できる
  • 言葉を探しているという印象を与えずに会話することができる
  • 複雑な話題について明確でしっかりした構成の文章を書くことができる

他の試験で言えば、

  • TOEICL&Rで945点以上のレベル(満点が990点)
  • TOEFL iBTで100点〜110点以上のレベル(満点が120点)
  • IELTSで7.5点以上のレベル(満点が9.0点)

がC1に相当します。

TOEICは皆さんも受けたことがあるかもしれませんが、945点というのは相当なレベルです。高校生の平均が411点で、大学院でも平均で533点しか取れない試験ですからね(詳しくはこちら

英検1級に合格するには、大学院生の平均的な英語力を遥かに上回るレベルに到達しなければならないわけです。恐ろしいですね……。

英検1級のレベル概要②:合格最低点

試験の難易度がなんとなく理解できたところで、合格するために必要な基準点を紹介しておきましょう。

英検では、2016年度から「CSEスコア」という得点計算方式が導入されています。

CSEスコアとは、技能ごとに異なっている素点の配分を均一化し、かつ受験回ごとの難易度を調整するための得点計算システムです。

例えば一次試験の場合、素点だと

  • リーディング:41点
  • リスニング:27点
  • ライティング:32点

なのですが、CSEスコアに直すと、リーディング・リスニング・ライティングが全て850点になります。

スコアの換算方法は各回の難易度に合わせて調整されるため、CSEスコアを使うと4技能をバランスよく測定できるだけでなく、受験回が違っても公正に点数の比較ができるのです。

このCSEスコアで

  • 一次試験は2028点以上(満点が2550点)
  • 二次試験は602点以上(満点が850点)

取ると合格できます。

素点(正当数=得点とした場合の得点)だと、一次試験も二次試験も7割前後取れていれば合格できると言われています(詳しくはこちら)。

CSEスコアでは4技能全てに同じ点数が配分されるので、リーディングからスピーキングまでバランスよく得点できなければ不合格になってしまうわけですね。

英検1級のレベル概要③:合格率

素点ベースで7割前後取れていれば合格できるなら、合格率はそれなりに高いのでは?と思われるかもしれません。

ところが、英検1級の合格率は大体10%程度で推移しており、他の受験級と比べるとかなり狭き門になっています(※2013年度以降は合格率が非公開になっています)。

合格基準点がそれほど高くないとは言え、英検1級に合格するのは決して容易ではありません。しっかりと準備して試験に臨みましょう。

英検1級のレベル概要④:合格に必要な単語量

英検1級の対策本や単語集を編集している旺文社によると、英検1級に合格するために必要な単語量は、大体10000〜15000だそうです(詳しくはこちら)。

英検準1級合格に必要な単語数が7500〜9000と言われています(詳しくはこちら)から、最低でも+1000、余裕を持って合格するには+6000〜7500の単語数が必要になります。

普段から英単語の学習をしている人ならわかるでしょうが、単語数を数千増やすにはかなり長時間の学習が必要です。

英検準1級に合格した人が英検1級合格を狙うには、それなりの学習時間を確保しなければなりませんね。

英検1級のレベル解説:リーディングからスピーキングまで

英検1級のレベルの概要がわかったところで、実際に英検1級レベルの問題に触れてみましょう。

英検1級のレベル解説①:リーディング

一次試験はリーディングとライティング合わせて100分、リスニング36分となっているので、リーディングに70分、ライティングに30分くらい時間を割けると良いですね。

というわけで、まずはリーディングから見ていきましょう。

リーディングは、以下の3つのパートから構成されています。全問選択式で、選択肢の数は4つです。

  • 短文の空欄補充(25問)
  • 長文の空欄補充(6問)
  • 設問に答えるタイプの長文読解(10問)

一番最初の「短文の空欄補充」は、はっきり言ってできなくて良いです。単語レベルが非常に高いので、海外経験のない学生には厳しいと思います。

その分、わからない単語があっても回答できる長文の問題をしっかりと解きましょう。

文章は長いですが、ちゃんと読めば解ける問題になっているので、時間を目一杯使って解いてみてくださいね。

英検1級のレベル解説②:ライティング

リーディングの問題を解き終わったら、ライティングの問題に入ります。

ライティングの問題は、200〜240語の自由英作文です。問題形式は基本的に受験回によらず同じなので、対策のしやすい分野になっています。

英検1級のライティングの良いところは、解答の構造が予め設定されている点です。

ライティング試験のリード文には、

  • 「導入→メインの内容→結論」の順番で書け
  • 自分の意見の根拠となる理由を3点挙げろ

と書いてあります。

この構造に従って解答すれば良いので、時間の無駄なくエッセイを書けますね。

「語数がちょっと多くない?」と思う人もいるかもしれませんが、慣れれば200語程度の英作文はすぐに(30分以内に)書けるようになります。

「習うより慣れろ」ということで、時間を見つけて英作文の練習をしてみてくださいね。

英検1級のレベル解説③:リスニング

100分間の筆記試験が終わったら、約36分間のリスニング試験に入ります。

リスニング試験の構成は以下の通りです。

  • 対話を聞いて質問に答える問題。質問は印刷されていない。1つの対話につき1つの質問。合計で10問
  • 文章を聞いて質問に答える問題。質問は印刷されていない。1つの文章につき2つの質問。合計で6問(文章は3つ)
  • モノローグを聞いて質問に答える問題。質問が印刷されている。1つのモノローグにつき1つの質問。合計5問
  • インタビューを聞いて質問に答える問題。質問は印刷されていない。1つのインタビューにつき2つの質問。合計2問(インタビューは1つ)。

筆記に比べれば、リスニング試験はかなり簡単です。

私が初めて英検1級の問題を解いたとき、筆記は6割しか取れなかったのに、リスニングは8割正答できました。

筆記と違って単語がそれほど難しくないので、レベルとしては準1級と大差ありません。

英検準1級を持っている人なら、最悪事前準備なしでも合格ライン(7割)に到達できると思うので、気楽に受験しましょう。

英検1級のレベル解説④:スピーキング

無事1次試験に合格したら、約1ヶ月後に2次試験を受けることになります。

2次試験は約10分間の面接(スピーキング)です。面接の基本的な流れは以下のようになっています。

  1. 簡単な自己紹介をする
  2. 面接官から5つのスピーチするトピックが与えられるので、その中から1つトピックを選んで、スピーチの準備をする(1分)
  3. 実際にスピーチする(2分)
  4. スピーチの内容に関連した質疑応答を行う(4分)

「2分間のスピーチって難しそう……」と思うかもしれませんが、対策は案外単純です。ライティングで書いたように喋れば良いのです。

まず自分の意見を述べて、その根拠となる理由を述べる。タイムリミットが差し迫ってきたら、最後にもう一度自分の意見をまとめる。これだけです。

難しい表現も文法も必要ありません。自分の喋れるペースで、理路整然と喋れれば、基本的には合格できます。

1次試験に合格した力を信じて、堂々と面接官と対話してみてくださいね。

おわりに:英検1級のレベルは高いが、努力次第で高校生でも合格可能

いかがでしたか?

この記事では、英検1級のレベルについて網羅的に解説してきました。

英検1級は決して簡単な試験ではありませんが、努力次第で高校生でも合格できます。興味のある方は、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

それでは!!

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