【イチからの論述対策】「書き写すだけ」で論述の書き方を完全マスターしよう!

はじめに

国公立大学を受験するなら、避けては通れない論述問題。

1行程度から600字以上のものまで、文字数はまちまちですが、いずれにしても選択肢問題よりも点数に差がつきやすい出題形式です。

論述問題では、大学や科目によってある程度解答の流れが決まっており、文章センスよりもいかに演習を積んだかが点数に直結しやすいのです。

演習量を確保するためには、早めの対策が肝心。

しかし、論述の勉強とはいっても、何から始めたらよいのか迷ってしまいますよね。

そこで今回は、単純ながら効果抜群の「書き写すだけ」の論述勉強法をご紹介します!

論述問題の特徴を押さえよう

出題者が受験者に求めていることや、論述問題の特徴を正確に押さえることで、効果的に演習を積むことができますよ!

論述問題で問われていること

論述問題でまず重要視されるのは、正しい日本語運用能力が身についているかという点です。

手書きで文章を書こうとすると、知らず知らずのうちに1文が長くなったり、主語と述語がねじれたりしがちです。

制限時間を気にして焦っていると、誤字脱字も起こりやすいですよね。

しかし、こうしたミスは採点の際に容赦なく減点されてしまいますし、あまりにも文法ミスや誤字脱字が多い文章は、採点官にしっかりと読んでもらえない可能性すらあります。

論述の内容以前に、こうしたミスをしないことが重要です。

とはいえ、もちろん科目や単元への深い理解も必須です。

論述問題は、選択肢問題のように当てずっぽうでは正答できません。

記述すべき要素を自ら考え、取捨選択して限られた字数内にまとめるためには、深い理解が不可欠なのです。

なぜ論述問題は難しい?

論述問題を難しいと感じる要因について、そもそも指定文字数程度の文章を書いたことがないという点が挙げられます。

たとえば英語なら、単語や文法中心の学習をしていた人が、いきなり100 wordsの作文をするのはハードルが高いですよね。

日本語での論述であっても、数百文字にわたる文章を書いた経験にとぼしい場合、内容にかかわらずそもそも「書けない」という問題が発生します。

どのように書き始め、どのように展開し、どのようにまとめるかという感覚が身に付いてないことがその理由といえるでしょう。

さらに論述問題は、覚えれば解ける選択肢問題とは異なり明確な正答があるわけではないため、勉強方法を見失いやすいのも難しさの一つです。

また、答案の作り方を身に付けるのに時間がかかるという点も、論述問題の難しさに大きな影響を与えています。

一つ答案を作るのに体力と時間を消費するので、一度にあまり多くの問題は解けませんし、添削に出すと返ってくるまでに時間がかかるので、見直しもしづらくなります。

結果的に、論述問題は演習不足になりがちで、早めに対策を始めなければ受験本番までに苦手を克服することが難しくなってしまうのです。

「書き写すだけ」の論述勉強法

一般に、書き写す勉強は時間をつぶすためだけの行為だと批判されがちです。

しかし、今回ご紹介する正しいやり方で行えば、確実に学習効果を得られます。

「書き写す」論述勉強のやり方

① まずは自分で答案を作り、すぐに添削に出す

どんなに解答欄が埋められなくても、制限時間を超えたら添削に出しましょう。

世界史や日本史などで、知識が足りなくて書けない場合は、教科書を参照しながら答案を作ってもかまいません。

スピード感をもって取り組むことにより、演習と復習のサイクルを作ることができ、十分な演習量を確保できます。

また、答案を作る過程で、自分が「書けない」ことを自覚できれば、課題を意識しながら今後の学習を進められます。

② 添削に出したら模範解答を読む

赤本や青本など、さまざまな塾の模範解答を見比べ、自分が最も気に入ったもの、もしくはこれなら自分でも書けそうだと思うものを一つ選びましょう。

③ 添削が返ってくるまでの間に、模範解答を「書き写す」

文章の内容を意識しながら、選んだ模範解答をノートに書き写していきます。

句読点の位置や文末表現が自分の文章とどのように違うのかを意識して、読みやすい文章の特徴を知りましょう。

指定語句がある場合、論述内のどのタイミングで、どのような文脈の中で使われているのかを確認します。

指定語句以外の用語についても、その用語の意味や、その用語が使われている理由を説明できるかをチェックします。

見やすいノートを作れば書き写しの効果もアップします!

「美しいノート」の作り方

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④ 添削が返ってきたら、自分の答案を見直し、改めて書き直す

添削が返ってきたら、書き写した模範解答と自分の答案のどこが違うのかを確認します。

よく書けた部分や、模範解答と違う部分など、自分の長所と短所を知ることが大切です。

最後に、改めて何も見ずに答案を作ってみると、さらさらと書けるようになっていることが分かるはずです。

「書き写す」論述勉強のメリット

一問に丁寧に取り組むため、類似した問題が確実に解けるようになります。

自分の手で書き写すことで知識が定着するので、選択肢問題のひっかけにも気づきやすくなりますよ。

さらに、模範解答を書き写すことで、論述問題の解答のおおまかな流れが感覚的・直感的に身に付き、どんな論述問題でも迷いなく書き進めることができるようになるはずです。

演習の量と質を同時に確保できる点もメリットの一つです。

添削が返ってくるまでの時間を有意義に使える上、複数の模範解答を見ることで、自分の解答を多角的に分析することもできますよ。

「書き写す」論述勉強の注意点

書き写し勉強法を実践する際には、一文字ずつではなく、一文ずつ写すことを意識してください。

たとえば、世界史で、

「辺境に置かれた傭兵指揮官である節度使の安禄山と史思明らが、安史の乱を起こした」

とある場合を考えてみましょう。

「傭、兵、指、揮、官」のように、一文字ずつ文字をたどって書き取っていくのでは無意味です。

「節度使=辺境に置かれた傭兵指揮官」「安禄山と史思明は節度使だった」などのように、知識を確認しながら写していきましょう。

その際、一問一答のように覚えていた知識が、どのような文章の形でまとめられているのかをよく観察します。

知らない知識が出てきた場合は、その都度調べましょう。

「書き写し」で感覚を掴んだら、論理的なアプローチも試してみましょう!

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ながら勉強をしないという点も非常に重要です。

勘違いしがちですが、「書き写し」は単純作業ではありません。

ここまでご紹介してきたように、調べたり考えたりしながら書き写すからこそ、この勉強法は効果を発揮します。

テレビやYouTubeを見ながら行うのでは、ただの時間の無駄になってしまいますよ。

さらに、似た問題ばかりを書き写さないということにも注意が必要です。

書き写しには時間がかかるため、すべての問題の模範解答を書き写そうとするのではなく、違うパターンの問題を書き写した方が、より効率的に学習を進めることができます。

おわりに

書き写しは、論述問題で何から書き始めていいのか分からなかったり、点数が伸び悩んだりしたときに最適の勉強方法です。

論述対策では、まずは手を動かして書いてみることが何より大切。

今日から「書き写す」だけの論述対策を始めて、ライバルに一歩差をつけましょう!




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