はじめに
受験を控える子どもを見守るなかで、「どこまで口を出すべき?」「うまく励ませているだろうか……」と悩んでいる保護者の方も多いのではないでしょうか。
子どもの将来を思うからこそ、かける言葉や距離感に迷い、不安や戸惑いを感じるのは自然なことです。
この記事では、現役大学生たちに「受験期に親にしてもらって嬉しかったこと」を聞き、その実体験をもとに、受験生を支えるうえで保護者の方々ができることをわかりやすく解説します。
ぜひ参考にしてくださいね。
目次
親子で共有しておきたい、受験期の基本情報
入試制度・志望校
まず、入試制度に関する基本的な知識を親子で共有しましょう。
「推薦」「総合」「AO」「一般」など入試方式の違いに加え、国公立と私立の違いなども知っておくことが大切です。
学校によって、必要な対策、かかる費用、キャンパス・設備、アクセス等にも違いがあるからです。
高校での進路説明会や入試情報誌を活用したり、塾の先生に聞いたりしながら、情報を集めておきましょう。
志望校も共有しておくと安心です。
迷っている場合には、一緒に調べたり、オープンキャンパスに行ったり、塾や学校の先生と相談したりするのも有効です。
親子で同じ方向を向いているという実感を持つことで、子どもは安心して努力できるため、志望校について親子で話し合う時間を設けることがおすすめです。
受験スケジュール
受験日から逆算して、早めにスケジュールを立てておくことが重要です。
親と子どもで二重確認できるように、カレンダーなどに記入して共有しておくのがおすすめです。
模試や定期テスト、入試本番の日程だけでなく、遠方受験の場合はホテル予約や、一人暮らしをする場合は部屋探しの時期なども含めて計画しましょう。
そもそも、ひとり暮らしをするのか実家通いをするのかを話し合う必要があるかもしれません。
出願締め切り、受験日、合格発表日、入学手続きの締め切りは、進学の可否に関わるので特に注意してください!
費用
大学受験には学費・予備校費用・受験費用などがかかります。
私立大学1校の受験料は3〜5万円程度、受験に伴う宿泊費や交通費も含めると1回の受験で7〜10万円かかることもあります。
受験校やその数によって受験にかかる費用(交通費・ホテル代・受験料など)が変わって来るため、無理のない範囲で事前に話し合っておきましょう。
親にしてもらって嬉しかったこと【行動編】
食事や差し入れの準備(千葉工業大・情報変革科学部Kさん)(早稲田大・社会科学部Aさん)
やはりご飯は多くの受験生を支えてきたようです。
お弁当や夜ご飯、夜食のおやつなど、勉強に集中できる環境を整えてくれることは大きな支えになります。
また、入試本番のご飯についても話し合っておくと安心です。
「一番風呂を用意してくれた」や「免疫UPのドリンクを常備してくれた」という声もありました。
飛行機やホテルの手配(お茶の水女子大・生活科学部Tさん)
受験期は勉強以外の雑務もいろいろと発生しますが、それを親が手伝ってくれると受験生が勉強に集中することができます。
会場が遠い場合、事前に一度会場に行ってみるのもおすすめです。
受験当日の送り出し
玄関まで、会場までと様々ですが、親が送り出してくれて良かったと思っている受験生は多いようです。
「わざわざ丁寧な付き添いや見送りこそなかったものの、出発前には背中を叩いて送り出してくれました」(筑波大・総合学域群Oさん)という声も。
私も東京の満員電車が不安で、早稲田大まで母に付き添ってもらった経験があります。
入試以外の不安やトラブルを減らすために、持ち物や電車のルートなどを一緒に確認すると良いでしょう。
合格発表時の対応
受験結果をどう扱いたいかは人によって異なります。
そのため、事前に話し合っておくことをおすすめします。
ちなみに、私は自分で結果を見たいタイプだったので、親には結果を見ないでおいてほしいと伝えました。
「受験に関する話題は出さずにいつも通りにしてくれたこと」や、「受験結果を代わりに見て、代わりに学校へ連絡(Teamsチャット)してくれたこと」が嬉しかったという意見もありました。(上智大・総合グローバル学部Aさん)
親にしてもらって嬉しかったこと【声掛け編】
ひたすら「大丈夫!!」(お茶の水女子大・生活科学部Tさん)
受験生はメンタルが不安定になりがちですが、その時の親からの声かけが嬉しかったという声がありました。
「「信じてるよ」「○○なら大丈夫」「いつも頑張ってるね」などの気遣う声をかけてくれたこと」(早稲田大・社会科学部Aさん)
試験がダメだったときの声かけ
模試や本番で思うような結果が出なかったとき、頑張りを認め、「大丈夫」「がんばったならしょうがない」「明日に備えて早めに寝よう」など、寄り添った声掛けがあると次に向けて再スタートできます。
また、視野が狭くなっていく受験生に、時には「他にもいい大学があるだとか、本当にやりたいことがその学科なのか、など、良い意味で夢から覚めさせること」が必要ではないかという意見もありました。(千葉工業大・情報変革科学部Kさん)
「お金は気にしなくていい」(上智大・総合グローバル学部Aさん)
塾代や参考書代、カフェ代を気にしてしまう受験生もいます。
実際、私はカフェで集中できるタイプだったためドトールやコメダ珈琲を勉強に利用して良いと言われていたのですが、若干遠慮してしまう気持ちがありました。
金銭面のプレッシャーが勉強の妨げにならないよう、親子で無理のない範囲で予算やルールを話し合い、安心できる環境を整えておけると安心です。
おわりに
いかがでしたか?
アンケートをとる中で、特別なサポートをするのではなく、「いつも通り」、「温かく」接してくれて嬉しかったという声が多くありました。
この記事で紹介した声や工夫が、みなさんのお役に立てたら幸いです。