はじめに
上智大学の国際系3学部と言えば、外国語学部・国際教養学部・総合グローバル学部。
なんとなくグローバルなイメージはあれど、それぞれ実体を掴むことは、難しい方も多いのではないでしょうか?
今回は、実際に上智大学総合グローバル学部に通う筆者が、この3学部を徹底解説していきます!
各学部の特性を理解しながら、ぜひ、自分に合った学部を探してみてください!
カリキュラムと履修の特徴
まず、3学部をそれぞれ一言ずつで表すと、
- 外国語学部 = 言語から、世界の各地域を学ぶ
- 国際教養学部 = 外国語で、多様な科目を学ぶ
- 総合グローバル学部 = 国際関係論と地域研究から、世界の各地域を学ぶ
といえます。
外国語学部と総合グローバル学部では世界各地域を学ぶのに対し、国際教養学部では教科横断的に幅広い科目を学びます。
早速それぞれの違いについて、深掘りしていきます!
各学部の目的
公式では、以下のように説明されています。
【外国語学部】
卓越した英語運用能力を養い、地域研究、言語研究等の専門研究の基礎となる幅広い教養(言語学、人文・社会科学、英語圏に関する基礎知識)を修得すること
英語の高度な運用能力を基礎として、グローバル化する社会に貢献しうる人物、並びに地域研究、言語研究等の専門家を養成すること
【国際教養学部】
英語で行われる教養教育を通じ、比較文化・社会科学・国際経営経済の各専門分野の科目を隣接領域と有機的に関連させつつ学ぶことで、高度な語学力、多文化対応発信能力、及び柔軟な思考力を養うこと。また、学際的な研究を通じてグローバル社会の理解と問題解決に寄与すること
十分な国際感覚、言語運用能力、及び柔軟な思考力を養い、グローバル化に対応し多様な文化間の架け橋として活躍できる人材を養成すること
【総合グローバル学部】
国際関係論分野と地域研究分野の学位プログラムに設置された科目群を体系的に履修することで、1) グローバリティの理解、2)ローカリティの理解、 3)複言語(英語、地域言語)の運用能力、4)倫 理観に裏付けられた交渉能力 を習得させる
グローバル化の正負の側面に対処して、世界の人々が共に歩む共生社会の構築に貢献しようとする国際 的公共知識人を養成すること
(いずれも公式HPから引用。太字・文字色、ライン強調は筆者。)
こちらは長々としていてわかりづらいと思うので、授業概要と学生の生の声から、詳しく解説していきますね!
授業の特徴
冒頭でも少し触れましたが、学部ごとに特色のある授業が開講されています。
【外国語学部】
出願時に専攻言語を選択し、言語の学習を通してその言語の地域を理解していきます。
専攻言語および地域は、ヨーロッパと南北アメリカ、オーストラリア、ニュージーランドなど、いわゆる先進国が多い印象です。
【国際教養学部】
英語を第一言語に、多様な教科を学習します。
他国からの留学生が多く集まる学部ですが、もちろん国内の高校出身の日本人学生もいます。
【総合グローバル学部】
国際関係論の授業で世界全体を俯瞰的に学び、地域研究の授業で世界の各地域の内情を理解する学部です。
専攻地域はアジア全域とアフリカ、オーストラリアとニュージーランドを除くオセアニアに渡ります。
外国語学部では学びきれない地域を学ぶ場所と言えるかもしれません。
他学部履修
上智大学の学部全体の特徴として、どの学部に所属していても基本的に、学科の選択科目として他学部の科目を履修できる点があります。
ただし、卒業要件に換算できる単位数に上限があることがほとんどです。
例えば国際教養学部では、国際系3学部以外を含む他学部開講科目の履修は16単位まで、日本語で開講される科目は30単位まで履修できます。
総合グローバル学部は、学科の選択科目26単位のうち他学部履修は8単位まで可能です。
しかし、国際系3学部が開講する科目には単位の制限がなく、比較的柔軟だといえます。
学生のホンネ
外国語学部
~学科によって忙しさに差がある~
英語学科は比較的自由ですが、ロシア語学科やイスパニア語学科(スペイン語学科)は多忙とのことです。
また外国語学部では頻繁にテストが実施されるので、ほかの学部よりもテスト勉強に費やす時間が多くなりがちだそう。
~卒論とゼミは任意~
出願時に決めた専攻言語の他に、第二主専攻か副専攻を取ります。
そこで副専攻を選択した場合、ゼミと卒論なしでも卒業が可能になるようです。
国際教養学部
~日本語を話せることがステータス⁉~
何度もお伝えしている通り、他国からの留学生が多いため、授業外でも英語が飛び交う環境です。
上智の四谷キャンパスの国際性溢れる雰囲気は、この学部があってこそと言っても過言ではありません。
日常会話は基本英語で、まるで海外大学に留学しているかのような大学ライフを経験できます。
~ゼミと卒論は任意~
国際教養学部も、ゼミと卒論はオプションです。
卒論の代わりに、留学やインターンシップに励む学生が多いと聞きます。
必修授業が無いからと遊びに走るのではなく、キャリア形成に励む様子から、上智生らしさが感じられます。
総合グローバル学部
~英語力は十人十色~
国際系学部と聞き、英語力に不安を感じている方も多いのではないでしょうか?
上智大学の英語の授業は、CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)におけるB1(英検2級程度)からC1+(英検1級上位程度)までにレベル分けされています。
総合グローバル学部は、非英語圏の授業も充実しているからか、学生の英語能力も多様です。
~国際関係に関心を抱いている人が多い~
特に、SDGsへの関心が高いです。
授業では基礎知識から丁寧に教えてくれますが、周囲の友達の中には、すでにその分野の見聞を深めている人もいて、いつも刺激を受けています!
中学・高校時代から国際協力関連の課外活動を続けている人も多いです。
おわりに
このように3学部をまとめて比較すると、それぞれの特徴が明らかですね!
外国語学部はその歴史と王道な印象、国際教養学部は多様性と海外らしさ、総合グローバル学部は新しさゆえの柔軟性が魅力的です♪
上智大学の中にも外にも、素敵な学部はたくさんあります。
自分の興味関心と向き合いながら丁寧に調べて、自分にぴったりの学部を見つけていきましょう!