はじめに
学科試験は無し、センター試験の得点はほぼ合否に関係ないという科がほとんどの芸大の中で、センターの平均は9割、また個別試験のレベルは早慶以上とも言われる美術学部の芸術学科。
そう、芸大の美術学部芸術学科には実はとっても優秀な人が集まってるんです!
他にはないインテリな雰囲気がかっこいいです!
今回は芸術学科に在籍されているMさんに受験のことや、学校のことなどお話を聞きました。
目次
芸術学科はどんなことを勉強するところですか?
芸術学は、作品やイメージを手がかりに、美術史や人間について研究する学問領域です。
そうした研究を進めることで、言葉によって多くの人に芸術の魅力を伝えることを目指しています。
将来的には、学芸員、キュレーター、研究者、出版業界を目指す人が多いです。
芸大の芸術学科では、一、二年生のうちに広範囲の美術の知識や語学力を身につけ、三年生から日本・東洋、西洋、工芸、美学の4つの研究室のうちのいずれかに所属し、卒業論文を書き上げていきます。
芸術学科を志望した理由はなんですか?
もともと美術、デザイン、映画、ダンスといった芸術全般に興味があり、幅広い知識を身につけて、将来的には芸術に関わる仕事につきたい!と思ったので芸術学科を志望しました。
芸術学科の入試対策について教えてください
受験を意識して勉強したのは高3からです。
芸学の試験については情報が少なく、自分で対策するのは難しかったため高3から美術予備校に通いました。
センターは自力で勉強していました。センターでは9割とることが要求されていたため、赤本をたくさん解いて問題形式に慣れるようにしました。
センターは、英語、世界史、英語、理科基礎を受験しました。
けれど、芸大の芸術学科では、センターは三科目だけしか使われないので、結局受験で使われたのは英語と世界史と国語になりました。
芸大の1次試験では英語と世界史、二次試験では小論文を受験しました。
一次試験は、英語と歴史(日本史or世界史)です。
英語は、美術系の文章の和訳が2題のみ、歴史は長めの論述が1題と、短めの論述が3題という問題構成でした。
日頃から文構造を意識しながら和訳の問題を解いたり、美術の専門的な単語を覚えたりして勉強しました。
特に文化史に力を入れました。論述では体系的に深い理解をしていなければ答案を作っていくことができないので、歴史的な出来事どうしのつながりを意識しながら勉強しました。教科書を何回も読むのも効果的です。
二次試験の小論文は、図版を見て、その作品の造形的特徴を記述するというものでした。
対策としては、普段から美術に関する書籍を読み、自分で美術館に出かけるなどして美術に関する知識を身につけ、自分が作品を見て感じたことを言葉に表現できるように練習しました。
最終的に、どれだけ多くの美術作品を鑑賞できたかが重要になってくると思います。
また、私は小論文受験でしたが、デッサン受験もできます。
私は、併願校を受けませんでしたが、芸学の友達は早慶など、一般大学の美術史を勉強できるところを受けたみたいです。
芸術学科の雰囲気はいかがですか?
私の学年は、なんと男女比が1:20なんです……笑!
他の学年でも男子は少なめです。
芸学は、一学年20人程度という少人数なので、みんなとても仲がよくて、和気藹々としています。
マイペースで好きなことをとことん突き詰めるタイプの子が多いです!
好きな授業や特徴的な授業について教えてください!
芸学では、週に3回必修で、実技の授業があります!
デッサン、油絵、版画、彫刻、写真などの様々な素材に触れることができます。作品を見るだけではなく、実際に手を動かすことで、より濃い鑑賞ができるように思えます。
私は、実技の授業があることが、私が芸大の芸学を志望した理由の一つだったので、今は毎回の実技の授業がとても楽しいです。
芸大は実技のイメージが強いですが、芸術学科のような美術史の研究者を育成する専攻ももちろんあります!
芸術学の分野で活動する人たちは、作品を評価したり、アーティストを社会へ繋げてくれるという大きな役割を果たしていて、芸術の市場では不可欠な存在です。
またグローバル化の進む現代では、語学力だけでなくインターナショナルな価値観を持つキュレーターの育成もさらに必要となってきました。
芸術の市場そのものを発展させていくには、アーティストだけでなく優秀な研究者やキュレーターも育成することが大切なのです。
最後に
いかがだったでしょうか。
芸大の芸術学科について、何となくイメージが湧きましたか?
ものばかり作って、勉強はしなくてもいいところ……というイメージを持たれることも多いですが、実はしっかり勉強しないと入れない学科でもあります。
少しでも入試や学科内のイメージが掴めてもらえれば幸いです!
他にも芸大についての記事がありますので、あわせてご覧ください!