目次
はじめに
古文に苦手意識を持つ人も多いはず。
けど実は、古文漢文の文章にはある決まった「パターン」があるんです!
そのパターンにあてはめて読んでいくだけで、古文漢文の文章が数倍読みやすくなりますよ。
古文は3つ、そして漢文は4つのパターンを紹介します!
古文編の頻出出題パターン
古文は主に3つのパターンに分けることができます。
それでは、1つ1つのパターンの特徴について、詳しく見ていきましょう!
日記文学
(頻出:蜻蛉日記、更級日記、讃岐典侍日記)
特に平安時代の日記文学が難しいとされる理由として
- 主語が明示されないことが多い
- 敬語の使い方が不完全な場合がある
の2点があげられます。
けれどこれも当たり前のことなんです。
例えば、自分が日記を書いている状況を想像してみてください。
自分も日記を書くときに、わかりきっている親しい人の名前をいちいちフルネームで書いたり、敬語を完璧に使わないですよね。それと同じです。
そう考えると、文章に対しても親近感がわいてきませんか?
また、日記文学は有名なものが多いため、誰がどんな状況で書いたのかは当たり前の知識として出題されます。
例えば、蜻蛉日記は基本、夫・藤原野兼家の悪口。更級日記の作者は、源氏物語やおとぎ話の大好きな夢見がちな文学少女、など。
出題される日記文学は限られているので代表的な作品の背景はもう覚えてしまいましょう。
かな文字の発明により女流文学の栄えた時代でもあるため、土佐日記以外は作者は基本女性であることが多いのもポイントです。
これらの前提をもって日記文学を読むだけでもかなり読みやすくなりますよ!
鎌倉時代の文学
鎌倉時代の文章は「仏教思想+無常観」で出来上がっている作品がほとんどです。
そうすると、文章の結論部分のほとんどがこの2つに分けることができます。
- 仏教説話なら→仏の霊験を称える
- 日記、軍記物語なら→世の中は無常、そして辛いもの。結果、出家を決意する
これも、少し考えれば当たり前のことです。
当時はちょっとした病気や自然災害、そして戦争などで人の多く死んでいた時代。大切な人や物もいつかはなくなる…そんな無常観が作品に一貫して表れています。そしてそんな俗世からはなれる手段として出家をする。
だから出家に関する古文単語が抜けていると内容が理解できず、趣旨からずれていく可能性が高いです。
「様変ふ」、「やつす」、「かしらおろす」…これら古語の意味はすぐに言えますよね?
まずは自分の単語力の強化を計りましょう。
歌物語
(頻出:大和物語、伊勢物語)
「主人公:歌が上手→素晴らしい歌を詠む→賞賛」この流れがほとんどです。
和歌は苦手意識を創出する最大要因。けれど、和歌の技法を完璧に理解してなくても、文脈を把握できていれば、何を言いたいのかはわかります。
というのも、現代の私たちの会話の代わりに歌を詠んでいるわけですし、会話に関係ない話を突然しないように、歌の詠み手も文脈に関係ない歌は詠みませんよね。
だから前後の文脈・状況理解が重要なのです。
古語や敬語、パターンを覚えていないために文脈理解が追い付かず、和歌でつまづいてしまうのです。
和歌は自分の知識の抜けが出やすい部分。
だから決して和歌自体が難しすぎる、というわけではないということを念頭に置いて、自分の知識の穴を埋める勉強をしてください。
苦手な人は、そもそも文章の内容を理解できていない可能性が高いので、自分の文法や単語などの基礎知識の見直しを計りましょう。
漢文の頻出出題パターン
漢文は主に4つのパターンに分けることができます。
それでは、1つ1つのパターンの特徴について、詳しく見ていきましょう!
道理や義に従う者を称賛する話
漢文の文章に一貫して表れている傾向として「道理や義に従う者」を称賛する傾向があります。
当時の考えの中では、子は親に従い、妻は父・夫に従うことが理想とされていました。
そこで、道理や義を守るために自らを犠牲にした人は称えられ、後世の模範として文章に記されたわけです。
歴史に関する話
出題されやすい時代としては、三国志、そして項羽と劉邦の時代があげられます。
この時代の主要な国、国同士の敵対関係、登場人物の性格を知っていると、話の趣旨を理解し間違えることはほとんどなくなります。
三国志も項羽と劉邦もとても有名な話で漫画や小説にもなっているため、通学時間や長期休みなど時間のあるうちに読んで知識をつけておくことをオススメします。
故事成語・ことわざに関する話
「序文→例え話→結論」の構成に当てはまっているものが多いため、時代背景などの知識がなくても、このパターンは一番解きやすいのではないでしょうか。
結論部分は、「このようなことを人々は~(ことわざ・故事成語)と呼ぶようになった」という形になりがちです。
例え話がそのまま故事成語やことわざの成り立ちにつながるため、結論部分を先に読みその故事成語やことわざを念頭に置いて読んでいけば、文章の理解速度が速まります。
政治について論じる
「主君が臣下に政治の方針に関してその是非を問い、対立する二つの意見を持つ臣下の意見を聞き、片方の意見を採用する」という型が頻出。
このパターンには予備知識よりも文章の読解力が求められるため、比較的難しいといえます。
また、登場人物が複数登場するため、それぞれの立場や発言者は誰なのかをしっかり確認しながら丁寧に読んでいきましょう。
そのためにも、登場人物の名前が文書中に現れる度にその名前に〇をつけたり、問題用紙の余白にそれぞれの主張や立場を少しメモすると内容が整理されて混乱しずらいですよ。
この方法は文章中で主語がわからなくなることを防ぐことができるため、ぜひ積極的に使ってみてください。
実は漢文の構成はひとつしかない!?
漢文でつまづきやすいポイントとして「漢文特有の例え話」があげられます。文章をよんでいても「結局何が言いたいんだ?」と混乱してしまうことが多々あります。
しかし、漢文の文章の構成を知っていれば、スムーズに処理することができます。
漢文の構成は基本的に「序文→例え話→結論」。
つまり、例えの意味がよく理解できなくても、最後の結論部分さえ読んでしまえば何が言いたいのか理解できるわけです。
例えが何を言いたいのかわからない……。そんなときはとりあえず流し読みをして、結論部分をしっかりと読んでみてください。
そして何を言いたかったのかを理解した状態で二周目を読んでみましょう。
すると、分からなかったところもスッキリ読むことができるはずです。
さいごに
苦手意識を持っていた人は、なぜ自分ができないのか、これからはどんな勉強をすればよいのか、参考になりましたか? 一年生、二年生はまだまだ基礎固めをする余裕があります。
受験生は自分の知識の穴を埋め、問題演習に取り掛かる時期。本番で後悔することのないように勉強していきましょう!
パターンを知っていることで文章の展開が予測でき、内容がスムーズに頭の中に入ってきます。問題演習を重ねていく中でもっと習得していきましょう。
まずは作品の書かれた背景を勉強すべし。