はじめに
英語の学習を進めていて、しばらくするとぶつかる人も多いのが長文読解の壁です。
しかし単語や文法などの基礎が身についている人であれば、長文読解を解くことは誰でも可能です。
そのうえ長文読解は一度コツを掴むと、成績にムラができにくくなるため、安定した得点源にもなり得るんです!
よくある英語の長文読解が解けない原因を大きく分けると、
原因1:英語の文章を読み慣れていない
原因2:ただ文字を追うだけで内容を掴めていない
原因3:効率的な読み方ができていない
の三つが挙げられます。
この記事では原因別に、今すぐに始められる勉強法を紹介します。
気になる勉強法があったら、是非取り入れてみてくださいね。
目次
英語長文が解けない原因1:英語の文章を読み慣れていない
最初は読めないのが当たり前
「長文が読めない」という人に限って、あまり英文に触れたことがない場合も多いです。
英語学習をスポーツやゲームで例えると、単語や文法は「ルール」、長文読解や英作文などは「試合」のようなものとして捉えることができます。
もし今初めてテニスのルールを知った人に、「じゃあルールを教えたから、今から試合頑張ってね」といきなり言っても厳しいですよね。
英語も同じです。単語や文法を身につけたからといって、いきなり長文読解がスラスラ解けるとは限りません。
スポーツも練習試合を重ねれば上達するように、英文に触れる経験を増やしていけば長文も読めるようになっていきますよ!
「完読できた」経験を積み重ねよう
このような場合はまず、簡単なものでいいので「全部読めた!」という経験を積み重ねることが大切です。
最初は絵本でも構いません。絵本だと全ての単語を予め知らなくても、絵で内容を簡単に類推でき、スムーズに読み進められるからです。
とは言っても「英語の勉強のためとはいえ、絵本にお金を使うのはちょっと……」という人もいますよね。
そんな人におすすめなのが、Oxford Owlというサイトです。このサイトは、イギリスの多くの小学校で採用されている教科書の出版元が運営しています。
無料会員登録してログインすれば、「eBook」の表記がある絵本は無料で読むことができますよ。
慣れてきたら……
少し慣れてきたら、英語学習者向け読本や、レベル別に長文だけに特化した参考書といった、もう少しレベルの高いものを読んでみるのもおすすめです。
「どれを買えば良いかわからない……」という人は、合格サプリ内の参考書レビュー記事を参考にしてみて下さいね。
もちろん英文を読むのがどんどん楽しくなってきたら、本格洋書に挑戦しても良いでしょう。こちらの記事では、高校生の皆さんにぴったりな洋書を紹介しているので、気になった人は覗いてみて下さい。
新しく書籍を購入するにあたって、電子書籍であれば家から一歩も出ずに購入することができます。
特に海外の書籍を購入する場合はおすすめです。日本の書店では手に入りにくい作品も取り扱っているうえ、ペーパーバックなどの紙媒体に比べ、電子書籍だとかなりお得に手に入ることも多いです。
家庭にタブレットや電子書籍端末がある、という方は是非検討してみて下さいね。
英語長文が解けない原因2:ただ文字を追うだけで内容を掴めていない
ちゃんと「読めて」いますか?
「わからない単語も文法も無いのに内容が頭に入らず解けない」「途中で読むのが嫌になってしまって解けない」という人は、全然集中しないで「文字を追っているだけ」になっている可能性があります。
日本語でも「自分の好きな小説は夢中で読めるのに、教科書に載っている評論文は全然頭に入らない……」という経験がある人もいるのではないでしょうか。
英語も入試で頻出の長文テーマは、環境や実験、文化や歴史などちょっと真面目で堅いものも多いかもしれません。
しかし「興味がないから」という理由だけで苦手箇所を増やしているなんて、非常に勿体ないことですよね。
興味のあるジャンルで内容を掴む練習を
このタイプの人は、まずは興味のあるジャンルの英文を読んで内容を掴む、という練習をしてみるのがおすすめです。
「え、そんな方法?」と思う人もいるかもしれませんが、実はこの「興味を持つ」ということがとっても大切なんです。
外国語を習得した人にどうしてその言語を学んだのか聞くと、多くの場合「その国の文化に興味があって、もっと知りたいという気持ちがあったから」という答えが返ってきます。
筆者の場合も、元々英語の文章を読むのは好きではありませんでした。しかし好きな海外アーティストの情報を少しでも早く、より多く得るため、海外の音楽ニュースサイトや海外誌のインタビューを読み漁るうちに、読解力が向上しただけでなく、よく使われる言い回しなども覚えることができました。
スポーツが好きな人であれば有名選手のインタビュー、好きな映画があるという人であれば、その映画や出演していた俳優についての記事などをインターネットで探してみると良いと思います。
とにかく好きなジャンルの英文に触れ、「次は何て書いてあるんだろう」「もっと知りたい!」という気持ちを持つことで、集中力を維持しながら内容を把握することができるのです。
この時知らない単語が出てきても、できるだけ辞書に頼らないようにすると、実際に問題を解いていて知らない言葉が出てきたときに「意味を類推する力」をつけることができます。
ニュースを読めば一石二鳥
「海外のスポーツとか音楽に興味無いなあ……」
「もう少し堅い内容も読めそう!」
という人は、英語でニュース記事を読めば英語力が身につくうえ、時事問題にも強くなれて一石二鳥ですよ。
いきなり海外のニュースを読むのは難しいという人には、Japan TodayやThe Japan Timesがおすすめです。日本国内のニュースについて英語で記事を書いているので、
「この写真は今日ニュースで見たな」
「Tokyo gubernatorial election……てことは都知事選の話か」
など、写真やキーワードを手がかりに内容が掴みやすいと思います。読んでいるうちにニュースでよく使われる言葉の英訳が身につくのも利点の一つですね。
慣れてきたら、BBCやCNNなどの海外メディアで国外のニュースにも目を通してみましょう。いち早く世界情勢がわかるようになるうえ、自分がよく知らないことについての文章を読み易くなります。
英語長文が解けない原因3:効率的な読み方ができていない
やめよう!完璧主義な「翻訳家タイプ」
「とにかく時間が足りない」という人に多いのが、一文一文日本語に直しながら読んでいたり、「全部理解しなきゃ」というプレッシャーに追われながら読んでいる、いわゆる「翻訳家タイプ」です。
もちろん復習や解きなおしでは時間をかけて取り組むことも大切ですが、試験時間は限られてるのでそれでは間に合いませんよね。
そこで大切なのが「全文綺麗に訳さない・どうでも良い文は流し読みする」ことです。
例えば「apple」という単語を見たとき、いちいち「りんご」と日本語に直さなくても、自分の頭の中ではりんごの形や味がイメージできませんか?
和訳問題以外では自分さえわかれば、良い訳が思いつかなくても「この実験結果はgoodなんだ」というように、ニュアンスが理解できて問題を解ければそれで構いません。
また文中に細かい情報が詳しく書かれている場合も、問題に関係なければ飛ばして構いません。
限られた時間で効率よく読み進めよう
では実際にどう読み進めればよいのでしょうか?参考程度におすすめの勉強法を紹介します。
- まずは問題に先に目を通し、何がキーワードとなりそうか、どこに気を付けて読めば良いか、見当をつけておきます。
- 次に本文を読み進めますが、この時重要そうな文には印をつけます。
- 一通り本文を読んだら問題を解き進めます。この時、少し考えても分からない問題は一度飛ばします。
- 最後の問題まで解いたら、3で飛ばした問題を解きます。ここでは満点にこだわりすぎず、解けそうなものから解き進めるようにしてください。時間が余っても気を抜かずに見直しましょう。
2で重要そうな文に印をつけるのは、後でわからなくなった時や見直しの時、その印が付いた文とその周辺だけ読めば良いからです。
これらの文を見分けるには、「ディスコースマーカー」に注目します。「ディスコースマーカー」とは、文と文のつながりを示すwhile/moreover/however/for exampleなどの言葉のことです。
短時間で見極められるよう、普段から譲歩や逆接、具体化などディスコースマーカーの意味ごとに暗記していきましょう。
少し慣れてきたらタイマーで時間を決めて解くのも良いですね。
昔のテストや過去問を活用
さて「何を使って練習しよう……」と思うかもしれませんが、ここで新しく教材を買わなくても大丈夫です。
昔受けた学校のテストや模試など、家でしばらく眠っている問題はありませんか?
ずっと前のものを改めて解いてみると、意外と内容を覚えていなかったり、新しい発見があるんです!
もし使えそうなものが無いという人は、インターネット上に過去のセンター試験や英検で出題された長文問題が公開されているので、マークではなく記述式の試験として解いてみても良いと思います。
こちらの記事でも、長文読解演習の題材として使えそうなWEBサイトを紹介しているので、「やり尽くしてしまった」という人は参考にして下さい。
おわりに
いかがでしたか?まずは「自分が長文読解を解けない原因」をしっかり把握して下さい。
そのうえで「これなら自分にもできそう」という方法があれば、今すぐ実行してみて下さいね。
長文読解のコツを掴んで、英語の得点大幅アップにつなげましょう!