イタリア・ルネサンスの文化史の覚え方と特徴を徹底解説! 【世界史文化史】

はじめに:イタリア・ルネサンスの文化史の特徴・覚え方を徹底解説!

イタリア・ルネサンスの文化史に登場する人名や作品名は、似たような名前が多くて覚えにくいですよね。

そこでこの記事では、非常に覚えにくいイタリア・ルネサンスの文化史を攻略するために、その特徴と覚え方を徹底的に解説します。

イタリア・ルネサンスの文化史が次のテストの範囲に入っている人は、ぜひ最後まで読んでみてくださいね!

この記事の内容を詳しく知りたい方は、以下の参考書を読んでみてください。

  • 神余秀樹『タテヨコ総整理 世界史×文化史集中講義12』旺文社、2012年。

イタリア・ルネサンスの文化史の特徴・覚え方

具体的な特徴の説明に入る前に、文化史の覚え方について1つ注意点を挙げておきます。

それは、「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

暗記項目が多い試験の直前になると、一夜漬けで乗り切ろうとする人がいますが、一晩で覚えられる内容なんてたかが知れています。

一気に全部覚えようとするよりは、分野ごとに覚える内容を分けて、少しずつ覚えていく方が効果的です。

この記事で紹介する覚え方のテクニックを使いながら、地道にコツコツ学習を続けてくださいね。

イタリア・ルネサンスの文化史の特徴・覚え方①:14世紀のフィレンツェ

イタリアのルネサンスは、文化都市フィレンツェから始まりました。ここでは、ルネサンス初期のフィレンツェを代表する文化人4人を紹介します。

ダンテ

まずはダンテです。

詩人であるダンテの代表作は『神曲』ですが、当時の普通の書物がラテン語で書かれていたのに対して、『神曲』は地元の話し言葉であるトスカナ語で書かれていました。

当時の知識人の中には、学問の言葉であるラテン語で書かれていない『神曲』を蔑視する人もいましたが、庶民にも親しみやすく書かれた『神曲』はその後着実に人気を高め、時代を代表する叙事詩になりました。

ジョット

ダンテが近代イタリア文学の開祖であるとすれば、ジョットは近代イタリア絵画の開祖と言えるでしょう。

当時としては珍しく教会との繋がりを持たなかったジョットは、「聖フランチェスコの生涯」などの絵画作品を発表し、芸術を宗教から解放するルネサンス運動の先駆者となりました。

ペトラルカ

ルネサンスは宗教の価値を相対化し、人間を中心とする価値観を重視する文化運動ですが、このルネサンスの運動を思想的に支えたのがペトラルカです。

ペトラルカは、アヴィニョンの教皇庁に仕えた聖職者でしたが、一方でキリスト教成立以前の古代ギリシア・ローマの世界に関心を寄せていました。

彼のギリシア・ローマ文化への傾倒が、やがて「人文主義(ヒューマニズム)」という人間中心主義的思想を育み、ルネサンスを加速させることになっていきます。

また、詩人でもあったペトラルカは、密かに愛していた女性ラウラへの思いを『叙情詩集』にまとめて発表し、自らもルネサンスの運動の一翼を担ったと言われています。

ボッカチオ

ルネサンスの運動の中で、徐々に教会の権力は弱体化していくのですが、この教会の弱体化を風刺した文学作品『デカメロン』を執筆したのがボッカチオです。

ダンテと同様に、ボッカチオもトスカナ語で作品を発表し、学問に通じていない庶民でも文学を理解できるようにしました。

また、ボッカチオは古代語にも通じており、古代ギリシア語で書かれたホメロスの作品をラテン語に翻訳する事業も行ったと言われています。

ホメロスって誰だっけ……?と思った方はこちらの記事をご覧ください。

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覚え方

ダンテが『神曲』を著したことは、「名前が短い人が短い名前の作品を書いた」と考えれば覚えやすいでしょう。

トスカナ語については、ラテン語ではない現地の言語であることだけ押さえれば十分です(必ずしも名前を覚える必要はありません)。

ジョットについては、「ジョット↑の聖フランチェスコ↑」という合言葉で覚えましょう。「ト」と「コ」で韻を踏み、アクセントを強くするのがポイントです。

ボッカチオは、「ボックのデカメロン!」という呪文を作ると覚えやすくなります。ぽっちゃりした小学生が大きなメロンを抱えている場面をイメージしましょう。

ダンテ・ジョット・ボッカチオの3人を覚えれば、ペトラルカを消去法で覚えられます。「ダンテでもジョットでもボッカチオでもないやつがペトラルカ」といった感じですね。

イタリア・ルネサンスの文化史の特徴・覚え方②:15・16世紀のフィレンツェ

15世紀に入ると、イタリアのルネサンスはいよいよ成熟期を迎えます。

ここでは、15〜16世紀イタリアルネサンスを代表する文化人を3人紹介します。

ブルネレスキ

15世紀当時、フィレンツェにはメディチ家という大富豪一家がいました。

そのメディチ家をスポンサーとして、「サンタ=マリア大聖堂」という巨大建造物の大円蓋を建築したのがブルネレスキです。

ブルネレスキの建築には、当時は珍しかった遠近法が採用されており、この技術(遠近法)はのちに近代美術へ継承されていくことになります。

ボッティチェリ

メディチ家の支援によって活躍した芸術家は、ブルネレスキ以外にもいます。その1人がボッティチェリです。

ボッティチェリは「ヴィーナスの作品」や「春」など、キリスト教以外の宗教に関連する芸術作品を多数発表し、ルネサンス美術の牽引役になりました。

マキャヴェリ

マキャヴェリは、『君主論』という著作の中で、道徳や倫理から切り離したテクニカルな政治手法の重要性を主張しました。

マキャベリが唱えた「権謀術数」は「マキャベリズム」とも呼ばれ、現代の政治にも深く影響を与えています。

覚え方

マキャベリの「権謀術数(マキャベリズム)」は言葉の通りなので覚えやすいでしょう。問題は残りの2人です。

ブルネレスキについては、後で紹介するブラマンテと一緒に覚えるのがオススメなので、ボッティチェリが「ヴィーナスの誕生」・「春」を発表したことを何度も声に出して覚えましょう。

イタリア・ルネサンスの文化史の特徴・覚え方③:15・16世紀のローマ

最後に、ローマを中心としたルネサンスにおける中心人物を3人紹介します。

ブラマンテ

まずはブラマンテです。

ブラマンテは、ローマにある「サン=ピエトロ大聖堂」の改築に携わった建築家です。

フィレンツェにおけるブルネレスキと名前が似ていますが、厄介なことに業績も似ています。ややこしいですね。

レオナルド=ダ=ヴィンチ

誰もが一度は名前を聞いたことがあるレオナルド=ダ=ヴィンチ

「万能の天才」と称された彼の業績は多岐に渡りますが、中でも有名なのが「最後の晩餐」と「モナ=リザ」です。

すでにご存知かもしれませんが、改めて覚えておきましょう。

ミケランジェロ

ダ=ヴィンチと並んで有名な彫刻家として、ミケランジェロがいます。

ミケランジェロは、「ダビデ」や「最後の晩餐」・「天地創造」といった聖書に関連する作品を多数発表しました。

有名だと思って侮らず、しっかり確認するようにしましょう。

覚え方

ダ=ヴィンチやミケランジェロは有名なので覚えやすいですが、ブラマンテはブルネレスキと混同してしまいそうですよね。

ブラマンテをブルネレスキから区別するには、両者が建築した大聖堂の名前に注目するのがオススメです。

ブラマンテがサン=ピエトロ大聖堂、ブルネレスキがサンタ=マリア大聖堂ですよね。

「ピエトロ」は男性名で、「マリア」は女性名です。そして、ブラマンテの「ブラ」から “brother”(兄弟→男性)が連想できます。

ここから、「ブラマンテ→男性→ピエトロ」という繋がりを作ると、ブラマンテとブルネレスキを区別して覚えられます。ぜひ実践してみてください。

おわりに:イタリア・ルネサンスの文化史の特徴・覚え方のまとめ

いかがでしたか?

この記事では、イタリア・ルネサンスの文化史の特徴・覚え方について徹底的に解説しました。

文化史を覚えるときに重要なのは、前にも言ったように「いきなり全て覚えようとせず、分野別に少しずつ覚える」ということです。

急がば回れの気持ちで、ゆっくり少しずつ覚えるようにしてくださいね。

それでは!

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