はじめに
2025年度の共通テストは、学習指導要領の「新課程」に合わせ形式が大幅に変更されます。
内容は変われど、本番当日の緊張感や受験生たちが懸ける思いは同じはず。
旧課程の「元受験生」である先輩のいち受験生としてのエピソードをもとに、当日の会場の様子を具体的に解説します。
時間割、ごはん、服装、持ち物など、体験談を教訓にして万全に準備しましょう!
目次
2025年度共通テストについて
教科、科目の変更点
教科や科目の変更点はこちらの記事に詳しいですが、本記事でもざっくりとまとめていきます。
- 新学習指導要領において必修の「情報Ⅰ」が出題範囲となる
- 数学の科目「数学C」追加、試験時間10分延長
- 国語の「近代以降の文章」追加、試験時間10分延長
- 理科の基礎科目(物理基礎、化学基礎、生物基礎、地学基礎)4科目は「物理基礎/化学基礎/生物基礎/地学基礎」という1科目に統合される
- 社会、つまり地歴公民は科目再編でより複雑に
特に社会については、2科目選択(主に文系)の場合、パターン表をよく見て選択可能な組み合わせを確認しましょう。
2025年度共通テストの日程
大トリを意識したのか(⁉)、「情報」は2日目の最後の時間(17:00-18:00)に実施されます。
午前と午後で実施されていた「理科①」と「理科②」を「理科」に統合したことで、「情報」の時間を捻出したようです。
筆者の受験エピソード&教訓
ここからは筆者自身の、いち受験生としての体験をお届けします。
本番当日のイメージをつかむのに、ぜひお役立てください。
前日の学校編
共通テスト前日、クラスの欠席が0人であらゆる先生に褒められました。
ある先生は、長年教員をやっていてこんなクラスは初めてだと驚いていましたね。
学年集会後のホームルームでは、先生方よりお菓子の差し入れがありました。
個包装のお菓子がたくさんもらえ、糖分の支給となりありがたかったです。
筆者にとっては、直前期になりなかなか話す機会の取れなかったある友人の存在が大きかったと思います。
本当は、共テ終了後に久しぶりに話して、「おかげで本番で初めて800点超えたよありがとう!」とか、言ってみたかったのです。
しかし、失敗してそのまま何も言えなくなってしまう可能性もあるため、前日の朝になってそれまでの感謝と1点でも多くもぎ獲ってくる決意を表明しておきました……。
緊張感や浮ついた気持ちで普段と違うことをしてしまうのも仕方ないですが、そこまで緊張せずいつも通り過ごせるといいですね。
当日編
会場は慣れない地ではなく、“いつもの通学路の途中”でした。
幸運にも、筆者の通っていた高校から徒歩20分の“最寄り(?)駅”前の大学が受験会場となったので、普段の登校よりかえって早く到着できるという、圧倒的有利な状況でした。
会場では毎時間、試験監督の声掛けギリギリを攻めてチョコを食べていました。
試験開始の直前は、必要なもの(筆記用具、時計、ティッシュの中身、目薬など)以外をしまうよう声掛け後に、問題・解答用紙が配布されます。
筆者は眠気防止や集中力向上のため、そこで参考書をしまうと同時にさりげなくチョコを口にしていました。
このタイミングでの飲食は違反ではないので、2日間で一度も注意されませんでした。
ちなみにおすすめは、金色のパッケージの某カカオ86%チョコレートですよ。
飲み物は水筒にいれた麦茶とペットボトルのラテ、昼食は小腹満たし系クラッカーを用意しました。
水分補給とカフェイン補給の両方が叶いますが、クラッカーはコンビニの“1つ買うともう1つもらえるキャンペーン”で買い置きしていたもので、特にこだわりはありません。
緊張した中でお腹を満たしすぎるのはきついし、単純に眠くなりそうだった、という事情もあります。
解答中は極限状態ならではのハプニングもありました。
英語のリーディング(80分)で終了時刻を10分早いものと勘違いしていたのです。
必死に終わらせて残り2分だと思い、最初に戻って見直しなんて無理だと頭が真っ白になりかけました。
全く集中できない頭をフル回転させて見直ししていたら、試験官の「残り10分です」の声……。
自分の想定よりは10分延びたのですが、だからといって高速で終わらせたばかりの問題をじっくり考え直せる訳でもないので、普段通りはじめから順に見直しを続けました。
このように実質12分余らせながら、かなりの難化と言われた2024年度のリーディングで2ミスで耐えたので、見直しは大切だと言えます。
反対に「終了時刻が自分の想定より早かった」場合、取り返しがつかないので注意しましょう。
番外編:当日持っていくといいもの・服装
持ち物の解説やリストはこちらの記事に詳しく載っていますが、ここでも筆者個人の服装や持って行ったものをご紹介します。
着慣れた高校の制服で、校則的には“ジャケットの上にセーター”が正式でしたが、普段から動きにくいからとセーターのみ着ていたので同様の着方で臨みました。
もちろん“正装”で勝負に臨むのも大事な意識ですが、推薦入試などと違って“高校の顔”や評価なんて関係なく、マークの結果が全てなので、動きやすさや体温調節のしやすさ、文字が入っていないこと等を満たしていれば可でしょう。
持ち物は受験案内に記載の基本的なものや、各種情報サイトにあるものを持てばOKです。
参考書としては、筆者は教材の内容をある程度網羅していることを前提に、直前のミスや補足をまとめたルーズリーフ“ミスコレクション”を持参しました。
でもやっぱり不安なので、普段使用してきた参考書もたくさん持って行きました。
新たに知識を詰め込むことはできない、読み込む時間なんてないと分かっていても、心理的安心のために持参するのも手ですよ。
翌日編
筆者は自宅では自己採点せず、翌朝、いつも通りに登校しました。
すると、大半が自己採点し自分の結果を知っている中、未採点の人は筆者含めてクラスに2人だけでした……。
ほとんどの人が採点結果を各予備校の得点調査用紙に記入するだけ、という中、一緒になって最後までドッキドキで採点していました。
筆者は共通テスト終了後にとりあえず読みたい本を買って帰り、ひたすら解放感に浸っていましたが、結果が気になって何も手につかないという人は早めに採点しましょう。
採点の結果、自分や友達の様々なやらかしが発覚します。
筆者もあと40点は絶対取れたはず、と悔やむくらいミスだらけでした。
- 満点科目と思っていた化学基礎で、ケイ素を半導体だと思って外したり……
- 生物基礎で腎臓の位置(高さ)を間違えたり……
- 数学で大問1の初っ端からなんと「5-3=3」で計算して延々と合わなかったり……(約分できそうなのにできない‼)
また、周囲から聞いた話では、まさかのマークミスや解答科目ミス(「数学Ⅰ」と「数学Ⅰ・A」)など、散々忠告されてきたようなミスも、本番で実際にやりうるとのことです。
色々なやらかしがあっても、もはや“一生の思い出”に昇華して二次試験に向けて切り替えましょう。
おわりに
共通テストの基本情報と時間割、筆者の体験談をお送りしました。
ただの思い出語りかもしれませんが、いち受験生としての生き生きとした体験談が参考になることもあるでしょう。
様々な人の声を聞いて、自身が迎える本番へ、万全な準備につなげましょう!