はじめに
大学には、教室や研究室だけでなく、博物館や美術館など、資料や研究内容を展示している施設がありますよね。
この記事では、筑波大学附属の施設を中心に、学園都市つくばの様々な見学できる場所を紹介します。
豊富な所蔵資料が一般公開されていたり世界的に最先端の研究が集まっていたり、活用次第で存分に楽しめるので、ぜひ最後まで読んでみてください。
目次
筑波大学附属の見学できる施設
残念ながら大学ならではの高度な研究施設は、入場に学生証などの関係者証明証が必要など、大学関係者のみ利用可能となっているものがほとんどです。
しかし、来訪者向けに公開している展示施設もしっかり用意されているので、大学全体の広さの割に数は少ないですが、紹介していきます!
筑波大学ギャラリー
大学会館の建物内にある、著名人や大学全体に関する展示スペースです。


筆者が訪れた際は、節電のため入口隣の事務室に一声かけなければ入れない状態で心配でしたが、意外にも充実した展示内容でした。
館内撮影禁止のため、詳細な写真や内容は訪れてのお楽しみですが、「筑波大学が1980年に初めて大学を一般公開し1万人が訪れる」など、年表からも「開かれた大学」の歴史を感じることができ感慨深いですよ。
〈ノーベル賞受賞者記念展示〉
- 朝永振一郎博士(物理学者)
- 白川英樹博士(化学者)
- 江崎玲於奈博士(物理学者)
それぞれの受賞記念品やゆかりの品が間近で見られます。
〈附属学校展示〉
筑波大学の、全国11校の附属学校を紹介しています。
筑波大学は小中高の学校や特別支援学校と、あらゆる附属学校をもつ全国唯一の大学だそうで、最先端の人間学研究が行われる人間学群の強みが活かされていますね。
〈体育・スポーツの展示〉
オリンピアンや、大学のアスリートの軌跡を写真やアイテムで紹介しています。
技術の発達した現代からすると暑そうな昔のユニフォームや、嘉納治五郎先生の巻物、メダルを間近で見るときっと感動しますよ。
〈アートコレクション〉
図書館流通センター会長石井昭氏からの寄贈で、多くの絵画・版画・陶磁器などの作品が展示されています。
大学会館の建物内なので、バス停や案内は「大学会館」を目印にしてくださいね。
総合交流会館
開学30周年・創基131年を記念し、寄付事業により建設された会館です。
大学会館に、ガラス張りのスペースを継ぎ足すようにつくられています。
来訪者向けの展示スペースで、学生が足を運ぶことは少ないですが、連日、何かしらのセミナーやシンポジウム、展示などが催されているようです。
アートギャラリーT+
大学公式のアートギャラリーとは別の、学生による貸しギャラリーもあります。
「芸専(芸術専門学群)」の学生が運営し、芸専の学生が利用できるギャラリーです。
ペデ(歩行者や自転車が通る、メインの歩道)に面したガラス張りの空間なので、通りかかれば誰でも展示が見られますよ。

建物の名前で言えば6A棟というところです。
その他の施設
研究学園都市つくばには、学生や関係者、一般の方にかかわらず、広く公開されている施設がたくさんあります。
ここからは大学から飛び出し、その一部を紹介していきます。
国立科学博物館
東京・上野にある国立科学博物館の施設、「筑波実験植物園」があります。
温帯を中心に、熱帯から冷温帯まで、また山地など様々な場所の植物が植栽されており、見応え満点です。
目玉としては、世界最大級の「花」、ショクダイオオコンニャクも育成されています。
直近では2023年5月27日に開花したそうで、花が咲いた様子は非常に貴重ですね。
(植物園公式ブログより)
常時一般公開されており、飲食物の販売はないものの、お弁当を持参して食べられるようになっています。
ピクニック気分で植物を学びに訪れてみてはいかがでしょうか?
筑波大学東側の大きな通り、「東大通り」(ひがしおおどおり、です)を駅からバスで北上すると着きます。
ただしこの付近に、筑波大学にも駅にも行きやすい好立地とされる住宅街があるので、徒歩でも全く問題ない距離です。
入園料:一般320円、高校生以下無料
国立科学博物館の施設のうち、標本収蔵施設もあります。
こちらは専ら研究施設で非公開ですが、150万点以上の標本を収蔵する重要な研究拠点です。
つくばエキスポセンター
1985年の「国際科学技術博覧会(科学万博―つくば’85)」を機に開館した科学館です。
オシャレなカフェが併設されていたり、現在はドラえもんのプラネタリウムが上映されていたりと、また好アクセスということもあってかファミリーに大人気です。
大人気なだけあり、カフェのメニューなどはしっかり観光客向け価格なのでお気をつけください……!
施設の前のペデを走っていると、なぜか昼夜問わずセンターのテーマソングやドラえもんプラネタリウムの宣伝が流れていて脱力しそうになるのがなんとかしてほしいところですね(……きっみっと行っきったあいなあ♪……つっくっばっエッキッスッポッセ~ンタ~♪)。
プラネタリウム鑑賞には、これと同じ料金が別途かかります。
アクセス:駅からすぐ つくばエキスポセンター
駅から「ペデ」を通れば信号も経ずに行けます。
国土地理院「地図と測量の科学館」
国土地理院の本拠地がつくばにあることはご存じでしょうか?
こちらの科学館は国土地理院による一般向け見学施設で、地図や測量に関する歴史や仕組み、最新技術を展示しています。

無料でも子どもから大人まで楽しめる豊富な展示が魅力です。
巨大なアンテナ、地球の湾曲、測量用航空機の実機などがあるそうです。
徒歩では行けないくらい駅から離れているので、路線バスを利用しましょう。
JAXA筑波宇宙センター
全国17か所のJAXA事業所のひとつで、日本の宇宙開発の中枢的役割を果たしているそうです。
事業内容として、人工衛星開発、その観測画像の解析を行っています。
ISSの日本実験棟「きぼう」の運用、補給機「こうのとり」の運用管制も行います。
全長約50mの、H-Ⅱロケットの実機展示もあります。
駅からバスで南下すると行けます。
つくば住みの人は、洞峰公園という大きい公園まで走る度に横(というか裏側でほぼ森しか見えない)を通り過ぎるので意外と身近な存在かもしれません。
産業技術総合研究所
いわゆる「産総研」は独立行政法人で、特定国立研究開発法人のひとつです。
東京とつくばの2か所に本部があり、全国12か所に拠点をもちます。
その中の見学施設として、「地質標本館」があります。
鉱物や化石など地質に関する魅力的な展示を備えるほか、かなり凝ったきれいなグッズも販売中です。

つい欲しくなる、凝ったグッズの数々

館外にもヒートシステムや石の展示が

アンモナイトのような螺旋階段。登ってみるとかなり長い




また、「サイエンス・スクエア つくば」もあります。
国立研究開発法人である産総研の、最先端をゆく研究成果を紹介しています。
再開は2025年4月以降とのことで、最新情報は公式HPでご確認ください。
先ほどのJAXAから、洞峰公園通りをはさんでさらに南側に位置します。
おわりに
筑波大学とその周辺の施設をざっくり紹介しました。
つくばまでのアクセスに難があるかもしれませんが、興味を持った方はぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
研究学園都市でお待ちしております。