学校の定期テストで、「採点ミス」を多くの高校生は経験したことがあるのでは。
ただし、実際はもし本当にその答案が合っており、かつ返却されたその場で訂正しに行けば点数は修正されますよね。
しかし入試本番ではそんなことは通用しません。
なぜなら、そもそも答案返却がないからです。
あるのは合否または得点開示のみです。
それを見て「は!?なんでこんなに低いの!?」と思ったところで何もできません。
ですので、そんな時に必要なことはいかに一発でわかってもらえる答案を作るか。
つまり、「採点者に自分の解答をわかりやすく、また印象良く伝える」ということだけです。
まず、採点者の基本情報についてまとめておきましょう。
・大学の教員が担当することが多い
・年配の採点者も多い
・とんでもない量の答案を短期間で採点しなければならない
・彼らは採点に関して専門的な知識を持っているわけではない
・採点以外の通常業務にも追われている
……ストレスの多い日々を過ごしている採点者の姿がイメージできたしょうか。
そこで今回は、そんな採点者の方々に嫌われないような、やさしく・思いやりのある答案の書き方を紹介します。
書き方で点数を失ってしまわないように、きちんとしたワザを身につけましょう!
目次
採点者に伝わる!周りと差をつける答案の書き方
point1.大きくはっきりと濃く書け!
採点者に良い印象を与えることができるのは、字が綺麗な場合だけではありません。
大きくはっきりと濃く書けば見やすくなります。
採点者の大学教員は若くないことが多く、彼らにとって小さく薄いごちゃごちゃした文字を読むことは苦でしかないのです。
加えて、採点するのはあなたの答案だけではありません。
あなたの答案が採点し終わったところで、何百何千もの答案が待ち受けているのです。
そんな文字で埋まった答案を、彼らは印象良く採点してくれるでしょうか。
場合によっては、採点すらしてくれないかもしれません。
だって、そんな答案を採点する時間で、他の答案を3枚採点できるとしましょう。
教授は早くこの採点地獄から解放されたいわけです。さて見づらい答案を採点する気になるでしょうか?
なるはずがないことは、容易に理解できるかと思います。
したがって、「読めるもんなら読んでみろ」と言っているような、独りよがりな答案はやめましょう。
結果として自分に不幸な結果として返ってきますよ!
絶対にやってはいけないのは、
・字を小さく書くこと
・字を薄く書くこと
です。
普段先生から注意を受けている人は、今すぐに改善しましょう。
先生で指摘されなくても不安な人は、自分の字を友達に見てもらって、きちんと読めるかを確認し合っても良いかもしれません。
point2.普通の言葉・文字で書け!
受験生の中にはちょっと変わった言葉遣いをする人がいます。
やたら堅苦しい言葉をつかう人、古臭い言葉をつかう人、ひらがなで書けばいいものをわざわざ漢字にする人。
これらに当てはまる人はすぐに普通の言葉・文字に改めてください。
何千・何万枚もの答案に目を通して疲れ切っている採点者にとって、こうした読みにくい答案はイライラの素です。
「採点者ならこれぐらい難しい言葉の方が理解しやすいだろう」
「自分こんな難しい言葉も知っていますよ!とアピールした方が、印象に残るはず」
「採点者はこんなに難しい言葉を知っているかな?」
といった挑発行為はマイナス効果なので、これらのような認識は捨てましょう。
採点者だって現代に生きる人間です。
普段使う言葉で、普通に答案を書きましょう。
それで、十分合格できます。
point3.教科別:細かい配慮も忘れずに!
文字の丁寧さや言葉遣いに気をつけた後は、細かいところでの気配りをしましょう。
教科別に細かいことですが、気をつけることがあります。
ここではそれを紹介していきます!
国語
国語では、
・解答用紙をはみ出さない。
・問題の条件をきっちり守る
ということがもっとも大切です。
当たり前のことですが、正しく自分の答案を採点してもらうためには超重要です。
少しでも条件が守れていないと、採点者は
「条件が守られていない答案だ!ラッキー、採点しなくていいや」
と思って、瞬時に0点にされてしまうかもしれません。
次に、見やすい字で書くということを意識しましょう。
これは先ほど説明した通りです。
印象がかなり悪くなってしまいますよ。
数学・理科
数学や理科などの理系科目では、
・最終的な答えの部分を二重線を引くなりA. と書くなりで強調する
・文字を書くことにこだわらないで、図を描いて説明する
ということがいい印象を与えるために大切です。
たとえちゃんと答えを書いていたとしても、採点者がその答えを見つけることができなければ元も子もありません。
答えは、しっかりと自分の解答のなかで目立たせておきましょう。
何も書いていないと、最終結果を探すのが大変ですからね。
また特に数学では、図を書くことも大切です。
図の方が言葉よりも分かりやすいのはなんとなくイメージできますよね。
場合によっては、図そのものが答えになったり、図を書くことで答えが見えてくる問題もあります。
確かに図を書くのは面倒ですが、答案では答えに直接関係なくても図は必須だと考えておいてOKです。
図があるだけで、答案の読みやすさは格段に上がりますよ!
英語
英語でいい印象を与えるために大切なことは、少し具体的になりますが
・英作文では何語使ったかを文の最後に書いておく
ということを意識しましょう。
採点者が、指定語数の範囲に納まっているか数えるのは面倒なはずだからです。
よく予備校のやっている模試では、
「字数ぐらい自分でカウントしておくのが、採点者への礼儀である」
とか書いている時があります。
一方でこんなことを言う人もいます。
「採点者はいちいち字数なんかカウントしておらず、極端に長い時や短い時しか字数は気にしていない。だから、字数は気にせず言いたいことをきちんと表現した方がいい」
正直どっちも極端ですが、私としては
「字数は最後に記しておいたほうが、無難であろう」
と言う見解です。
とにかく内容以外のところで減点されないことが重要であって、一応書いておいた方が安全かと思います。
(私は、本番では字数を書きました。)
社会
最後に社会ですが、
・指定語句に下線を忘れない
・字数オーバーをしない
字数オーバーについては国語の部分で解説しました。
ここでは、指定語句への下線についてメインで話します。
指定語句への下線も問題で条件として与えられるため、絶対に守りましょう。
模試は1点減点となっている場合が多いですが、これまでも説明してきた通り採点者は膨大な数の答案を採点しています。
もはや、下線忘れによる1点減点の引き算すら面倒で、はなから0点としている可能性も否定できません。
指定語句を私はきちんと使っていますよ!とアピールするためにも、下線ははっきりと引きましょう。
また教科別の詳しいことは、こちらの記事の後半でも紹介しています。
周りと差をつける答案の書き方のまとめ
いかがでしたか?
僕がお世話になった先生の言葉に、「答案はラブレターだと思え」というものがあります。
ラブレターとは思いを寄せる相手に自分の好意を告白する手紙、簡単に言えば好きな人に告る手紙のこと。
つまり、「答案は好きな人に大事な思いを伝えるときのように丁寧に書け」ということです。
大学側にとって、答案はあなたの人となりを判断できる唯一の手段です。
「あ、この人はうちの大学に入れたい!」と思わせるような、丁寧で見やすい答案を書くよう心がけましょう。
いい印象を与えることができれば、ちょっとしたミスもミスだと認識してくれて見過ごしてくれるかもしれませんよ笑
今回紹介した方法で、きちんと採点してもらえる答案作りを心がけましょうね。