現役東大生が語る東大文科三類の実態とは?~偏差値から時間割まで~

東大文三合格は楽勝?

東大文科一類・二類が脚光を浴びる中、三類は格下だとなめられてしまうこともしばしば。

ですが本当に文三は格下なんでしょうか?

文科三類合格は楽勝なんでしょうか?

今回はそんな文科三類の入試難易度や入学後の生活について、現役東大生が徹底解説します!

文科三類の偏差値、文一・文二との差は?

まずは偏差値に注目してみましょう。

河合塾によると、文科三類の偏差値は67.5

文科一類は70、文科二類は67.5です。

そこまで大きな差は無いんです!

偏差値=難易度と言うわけではありませんが、文科三類だけがずば抜けて簡単だなんてことはありません。

文科三類に行けるのはいったい何人?足切りは何点?

まずは文科三類の定員から見ていきましょう。

2019年度、文科三類を志望したのは1492名

そのうち文三の定員は469名でした。

倍率に注目すると文三は3.2で文一の3.5、文二の3.3と比べると低め。

ただし倍率は年によって変動し、どの科類も3.0〜3.5の間に収まっているため、特定の科類の倍率だけが極端に高いということはありません。

東大の二次試験を受けられるのは定員の3.0倍程度の人数と決まっており、志願者がこれをオーバーした場合は足切りが実施されます。

これが足切りのグラフです。

急激に落ち込んでいるところは倍率が3.0に達さず、足切りが実施されなかったことを表しています。

これを見ていただいたらわかるように、文科三類の足切りの点数が文一・文二を上回っていることが多いんです!

センターの時点では文三受験者の方が高得点でなければならないんですね。

文科一類・二類・三類の難易度を比べてみた!

では最終的な合格最低点を見てみましょう。

合格最低点を見ると、一類は351.8333、二類は358.0667、三類は342.7222となっています。

東大の入試問題は文科一類も二類も三類も同じ問題なので、やはり文科三類が文系の中では一番入りやすいというのは確かに言えそうですね。

ですが誤解して欲しくないのは、文科三類の学生のほとんどはそこで学びたいことがあって選んでいるということです。

一番低いのはあくまで最低点であって、多くの学生はどの科類にも入れる点数を取って合格しています。

ですから、「楽だから」という理由だけで文科三類を選ぶというのはあまりオススメできませんね。

文科一類・二類・三類にはどんな違いがあるの?

東大を受験するうえで最も分かりにくい概念が「科類」です。

受験生は学部ではなく、科類を選択しなければなりません。

科類によって入学後の生活が大きく違う部分もあります。ここでは自分のしたいことが学べる学科をきちんと選べるよう、科類について徹底解説します!

一類・二類・三類って結局何学部にあたるの?

志望の決め手になるのは、それぞれの科類が何学部を示しているのかという点ですよね。

ざっくり言ってしまえば、以下のように分けられます。

文科一類・・・法学部
文科二類・・・経済学部
文科三類・・・文学部・教育学部・教養学部

しかし、必ずそこに進学しなければいけないというわけではなく、制度上はどの科類に入っても、文理問わずどの学部にでも進学できます。

入学してから進学先を決定する進学選択(進学振分け)というシステムがある東大では、科類と学部が直結しているわけではないのです。

科類の違いが決定的になる、進学選択(進学振分け)

じゃあどこに入学しても一緒じゃないかと思われるかもしれませんが、誰でも望み通りの学部に行けるわけではありません。

前述した進学選択の制度のもとでは科類によって進学しやすい学部と進学しにくい学部があり、それが各科類の一番の違いとなっています。

まず進学選択がどのような制度なのか説明しましょう。

東大の1、2年生は全員「教養学部」に所属し、3年生から「文学部」「法学部」といった学部に進学し、専門的な内容を学ぶことになっています。

教養学部からどの学部に進むかを決めるための制度が進学選択です。

進学選択では、出席、レポート、テストなどをもとにして授業ごとに算出される点数の平均が高い人から順に希望の学部に進むことできます。

それぞれの学部で定員は決まっているため、点数が低い人は行きたい学部にいけないというのもあり得る制度というわけです。

これで終わりならどの科類に入っても一緒ですが、実はそれぞれの学部では科類ごとの定員を別々に設けているのです。

例えば法学部の定員は420人ですが、その内訳は以下のようになっています。

これを見ると法学部に行くには圧倒的に文科一類の学生が有利であることがわかりますね。

同様に経済学部は文科二類の枠が多く、文学部、教育学部、教養学部は文科三類の枠が多くなっているためそれが「行きやすい」学部となっているわけです。

進学選択(進学振分け)についてさらに詳しく知りたい人は以下の記事も参考にしてみてくださいね。

東大の進学選択(進振り)について|各学部の底点や人気学部はどこ?

2017.06.24

また、文科三類を志望している方は文学部、教育学部、教養学部の実態を紹介した記事もチェックしてみてください!

現役東大生が語る、東大文学部の実態〜時間割から就職先まで!〜

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現役東大生が語る、東大教育学部の実態〜時間割から就職先まで!〜

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現役東大生が語る、東大教養学部後期課程の実態〜時間割から就職先まで!〜

2017.06.24

実は入学して一番大変なのは文科三類生?

入学が楽そうなイメージの文科三類ですが、入学してからも勉強を頑張り続けないといけないのが文科三類なんです。

何がそんなに大変なんでしょうか?

合格発表から後期課程の学部に進学するまでの、文三生の日常に迫りましょう!

合格通知を受けてから入学式に出席するまでの流れ

毎年3月10日の合格発表で合格通知を受け取ってから4月12日の入学式に出席するまで、東大には様々なイベントがあります。

健康診断

最初にあるのが健康診断です。

駒場キャンパスのコミュニケーションプラザ、通称コミプラで行われます。

要注意なのは、文系か理系か、どの科類に属しているか、男子か女子かで細かく日程が分かれていること。

自分が何日の何時からかをちゃんと確認しておきましょう!

諸手続き

続いて諸手続きが行われます。

諸手続きは1号館で、文系理系で分かれて行われ、クラスが発表されるほか、学生証や様々な書類が渡されます。

渡される書類は結構多いの、でリュックか大きめのトートバッグをもっていくことをおすすめします!

諸手続きが終わると、これ以降のイベントで新入生を引率してくれる二年生、通称上クラと対面する時間が設けられています。

テント列

上クラのいるテントを抜けると、テント列というサークル・部活のテントが続くコーナーに進みます。

全ての勧誘につかまっていると、テント列を抜けるのに5時間かかるとも言われています。

興味のある団体の話は聞きつつ、うまいことすり抜けましょう!

プレオリ

テント列が終わると、プレオリと呼ばれる食事会があります。

上クラが主催してくれるので、一年生はほぼ全員がそこに参加することになります。

一年生はここで自己紹介などをして、クラスメートや上クラと交流を深めることになります。

サーオリ

諸手続き、テント列が終わるとサークルオリエンテーション、略してサーオリが行われます。

駒場キャンパスの各教室でサークル・部活・学生団体が勧誘をしています。

テント列と違い、似たような分野のサークルや部活は同じ建物内にまとめられているので、話を一気に聞くことができます。

オリ合宿

オリ合宿は、上クラ引率のもと、新入生がほぼ全員参加で行く一泊二日の合宿です。

内容はさまざまですが、代表的なものを挙げると以下のようなものがあります。

・体育館で軽くスポーツ(ドッヂボールなど)
・富士急ハイランドで遊ぶ
・果物狩り
・湖散策
・温泉

クラスメートと仲良くなる絶好の機会なので、ぜひ参加しましょう!

寒いことが多いので、冬服を持っていくことも忘れずに。

このように毎日がイベント続きなので、少し疲れてしまうかもしれませんが、後々話のネタになることが多いので、どれも参加しておくのがおすすめですよ!

文三生の時間割を公開!

文科三類に合格したらどんな授業を受けることになるのか、気になりますよね!

そこでここからは現役文科三類生の時間割を紹介します!

月曜日 火曜日 水曜日 木曜日 金曜日
1限目(8:30~10:15)
2限目(10:25~12:10) ドイツ語一列 国際関係史 英語一列 社会行動論
3限目(13:00~14:45) 政治Ⅰ 情報 ドイツ語演習(初級) 身体運動・健康科学実習Ⅰ 英語中級
4限目(14:55~16:40) 初年次ゼミナール ドイツ語二列
5限目(16:50~18:35) 歴史Ⅰ 比較思想

文系は第二外国語のウェイトが大きく、週に3コマ必修の授業があります。

文科三類のカリキュラムが文一・文二と違うのは、社会科学のボリュームが少なく、幅広いジャンルから選択できる総合科目のウェイトが大きいこと!

ちなみに社会科学とは法・政治・経済・数学・社会のことを指します。

総合科目には思想・芸術のA系列、国際・地域のB系列、社会・制度のC系列、人間・環境のD系列、物質・生命のE系列、数理・情報のF系列があり、それらを幅広く学びます。

総合科目の方が圧倒的に授業の数が多いので、履修を組む時に楽しいのは文三だと言えますね!

勉強を頑張る人が多い!

実は、文科三類の学生には勉強を頑張る人が多いのです。

というのは、文科三類の枠がもっとも大きい文学部を志望する人以外は、進学するのに高い点数を要求されるからです。

まず教育学部や教養学部は定員の絶対数が少ないため、競争が激しくなります。

また、高校の時点で特にやりたいことがない人は入りやすい文科三類を選ぶことが多く、そうして大学に入ってからやりたいことを見つけ、法学部や理系学部を目指す人が一定数います。

さらに、「文学部は就職に不利」とよく言われるようになっていることも、文三生が他の学部を志望することを後押ししています。

こうした事情で文科三類には文学部以外の学部を目指し、高い点数を取るために勉強に勤しむ学生が多いというわけです。

文科三類生はどんな雰囲気の人が多いの?

文科三類は良くも悪くも一番東大生らしくない人が集めるイメージです。

東大の中でもより一般的な大学生色が強い感じですね。

髪を染めている人も文三生に多い気がします。

また地方から来る人が一番多く集まると言われるのもこの学科。

いろんな地域出身の人と交流できるのも特徴ですね。

『自分が本当にしたいことは何かを考えてから大学へ』O.Kさんが東京大学・文科三類に進学して思ったこと

2016.06.04

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