【3分で分かる!】2点間の距離の公式とその使い方をわかりやすく

はじめに

2点間の距離の公式は単に距離を求めることに留まらず、軌跡と領域, 複素数平面やベクトル, 微分・積分など様々な分野に関連しています。

特に軌跡と領域の問題では使うことが多く、この公式が分かっていなければお話になりません…

今回はそんな大事な2点間の距離の公式をちょっとした例題を交えて解説していきます!
ぜひこの機会に2点間の距離の公式をマスターしましょう!

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2021.12.12

2点間の距離の公式 (2次元)

\(xy\)平面上の2点\(P(a,b), Q(c,d)\)の間の距離\(l\)は、
$$ l = \sqrt{(a-c)^2 + (b-d)^2}$$
で表されます。これが2次元のときの(同じ平面上の)2点間の距離の公式です。

特に、原点\(O(0,0)\)と点\(P(a,b)\)の距離\(l\)は
$$ l = \sqrt{a^2+b^2} $$
となります。

2点間の距離の公式の証明

次のような2点\(P, Q\)の距離を考えます。
IMG_0169
下図のように直角三角形\(PQH\)を考えて三平方の定理を使いましょう。
IMG_0170
\(PH = a-c, QH = b-d\)ですから、
\begin{eqnarray}
l^2 &=& PH^2 + QH^2\\
&=& (a-c)^2 + (b-d)^2
\end{eqnarray}
ですね?

\(l\)は長さですから、\(l>0\)なので正の平方根をとって
$$ l = \sqrt{(a-c)^2 + (b-d)^2} $$
となるわけです。

ちなみに\(Q\)を原点\(O(0,0)\)とすると
$$ l = \sqrt{a^2+b^2} $$
となります。

2次元における2点間の距離の公式の覚え方

この公式は文字をそのまま覚えるよりも、「(\(x\)座標の差)\(^2 +\)(\(y\)座標の差)\(^2\)の平方根」と覚えた方がいいです。

この覚え方は後ほど説明する3次元の場合の公式にも応用することができます。

2次元における2点間の距離の公式を使った例題

2点\((1,2), (4, -2)\)の間の距離\(l\)を求めよ。

解: 2点間の距離の公式を使うと、
\begin{eqnarray}
l &=& \sqrt{(1-4)^2+\{2-(-2)\}^2}&&\\
&=& \sqrt{(-3)^2+4^2}&&\\
&=& \sqrt{25} &=& 5
\end{eqnarray}

2点間の距離の公式 (3次元)

3次元の場合は、2次元の式の\(\sqrt{}\)の中に(\(z\)座標の差)\(^2\)を足してやればいいだけです!

\(xyz\)空間内の2点\(P(a,b,c), Q(d,e,f)\)の間の距離\(l\)は、
$$ l = \sqrt{(a-d)^2+(b-e)^2+(c-f)^2} $$
と表されます。

2点間の距離の公式 (3次元)の証明

\(xyz\)空間内の2点\(P(a,b,c), Q(d,e,f)\)について、図のような線分\(PQ\)を対角線とする直方体を考えましょう。
IMG_0168
各辺の長さは図にある通りです。縦, 横, 高さが\(x,y,z\)の直方体の対角線の長さは\(\sqrt{x^2+y^2+z^2}\)だから、この図より
$$ l = \sqrt{(a-d)^2+(b-e)^2+(c-f)^2} $$
ということが分かります。

2点間の距離の公式を用いた応用問題(軌跡と領域)

この公式は先ほどの例題のような単に「距離を求めよ」という問題よりも、軌跡と領域の問題で「距離に関する条件」として使うことが多いです。

2点間の距離の公式を用いた軌跡と領域の問題の例題

点\(P(p,q)\)が、2点\(A(-1,0), B(2,1)\)からの距離の和が常に等しくなるように動く。このときの\(P\)の軌跡を求めよ。

この問題の場合、2次元の場合の2点間の距離の公式を使って
$$ AP = \sqrt{(-1-p)^2+(0-q)^2}, BP = \sqrt{(2-p)^2+(1-q)^2} $$
と表せますから、\(p,q\)が満たす条件は
$$ \sqrt{(-1-p)^2+(0-q)^2}=\sqrt{(2-p)^2+(1-q)^2} $$
ですね。両辺を2乗して整理すると、
\begin{eqnarray}
(p+1)^2+q^2=(2-p)^2+(1-q)^2\\
3p+q-2=0
\end{eqnarray}
となり、
\begin{cases}
x = p\\
y = q
\end{cases}
ですから、求める軌跡は
$$ y = -3x+2 $$
直線ですね。

おわりに

2点間の距離の公式を使いこなせるようになると、苦手にしている人が多い軌跡と領域の問題や他の図形関連の問題を解きやすくなります。

公式は使っているうちに覚えるものですので、たくさん演習を重ねてくださいね。

それでは!

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