はじめに
早稲田大学の日本史は、非常に奇抜な問題ばかり出題されて、対策できない、と思っている人も多いですが、実はそれは間違いなんですよ!
この記事では、現役の早稲田大学商学部生が、早稲田大学商学部の日本史を取り上げ、「現実的な」傾向や対策を伝授します。
なお、この記事は2023年度の入試情報を基に制作しているため、2022年度以前もしくは2024年度以降の情報は、自分で過去問を解くことで仕入れてくださいね。
目次
早稲田大学商学部の日本史の傾向
【早稲田大学商学部の日本史の傾向①】近現代の出題割合が高い
2023年度は、大問が6題あるうち、古代(平安時代)が1題、中世(戦国時代)が1題、近世(江戸時代)が1題、近現代(明治時代、戦後)が3題出題されました。
以下の表は、2023〜2019年度の、早稲田大学商学部日本史の出題範囲です。
それより以前の年度を見ても、古代〜近現代の出題割合は変わらず、このことからも商学部は近現代史を非常に重要視していることがわかりますよね。
ちなみに、早稲田大学の日本史は全般的に、関連人物の大隈重信を意識しているのか、近現代の出題割合が非常に高いので、注意が必要ですよ。
このことからもわかるとおり、早稲田大学の日本史を攻略するには、近現代を深く学ばなければ合格できないため、ぜひ意識してほしいです。
【早稲田大学商学部の日本史の傾向②】過去には「2つ選べ」問題が出題されていた
2023年度は出題されなかったのですが、2022年度までは、5つの選択肢の中から正解を2つ選ぶ問題が、大問丸々1題出題されていました。
選択肢の中には、非常に細かい知識を含む選択肢もあり、積極法で解いても、消去法で解いても非常に難しく、平均点の低い大問になっていたんです。
皆さんに注意してほしいのは、2023年度は出題されなかったとはいえ、2024年度以降も同じ傾向になるかは不明です。
【早稲田大学商学部の日本史の傾向③】最後の大問がくせもの
最後の大問は、重い現代史と、短い論述問題が出題される傾向にあります。
その重い現代史で出題される内容は、戦後の日本経済に関する出題が多い傾向にありますよ。
用語集にしか載っていない知識が出題されたり、長い文字数が指定されている用語が問われたりして、難解な問題です……。
最後の大問には、マーク式の問題が基本となっている早稲田大学の日本史にしては珍しく、30〜80字程度の短い論述問題が出題されるんですよ。
こちらの論述問題も、上記の問題と同じく現代史をテーマとした問題となっており、早稲田受験生にとっては、少し取り組みづらい設問です。
こちらの詳しい問題の情報や対策法については、後述するので、ぜひそちらのパートもご覧ください!
早稲田大学商学部の日本史の対策
全体的に言えることとして、早稲田大学商学部の日本史は、試験時間が60分であるのに対して、小問が59題もあり時間の制約がとても厳しいです。
簡単な問題をいかに早く解くことができるかが勝負であり、これは、基礎を完璧にする必要があることを意味します。
時間の勝負になることを念頭に具体的な対策について見ていきましょう。
【早稲田大学商学部の日本史の対策①】まずは基礎知識を完璧に!
早稲田受験生は意外と忘れがちですが、どの大学でも最重要となるのは、基礎知識が完璧になっているのか、という点です。
先ほども記載しましたが、これは早稲田大学商学部の日本史も例外ではなく、むしろとても重要なポイントとなっています。
商学部では確かに難しく奇抜な問題も出題されることもありますが、それは一部の問題だけであり、少なくとも5〜6割ほどの問題は、基礎知識が完璧であれば解ける問題なんですよ。
早稲田受験生は、とりあえず全科目7割以上を取ることが目標なので、その大部分を基礎知識の利用で得点できるんです!
このことからも明確ですが、まずは、通史の基礎をしっかりと固めた上で、後ほど記載する、経済史などの、狙われるテーマ史の勉強に取り掛かるべきです。
【早稲田大学商学部の日本史の対策②】テーマ史の対策もしっかりと行おう!
商学部という、経済形の学問を扱う学部の特徴上、経済史や社会経済史の問題が他学部に比べて多く出題される傾向にあります。
特に、江戸時代の社会経済史や、近現代史が多く出題される傾向にあり、過去問分析を数年分行えば、頻出テーマも特定しやすいんですよ。
具体的な頻出テーマとして、近現代の北海道・琉球史や、近代経済史などが挙げられ、このテーマは実際に2023年度も出題されました。
他大学の商学部でも同じような傾向にあるため、商学部志望にとっては経済史の対策は必須であることを、早稲田大学商学部の傾向から認識していただきたいです。
テーマ史としては扱われませんが、早稲田大学の前身である、東京専門学校に大きくかかわり、現在は創立者とされている「大隈重信」に関しての出題は、早稲田大学の日本史では多いのもポイントですよ。
早稲田大学を受験する学生として、大隈重信の問題を落とすわけにはいかないため、少しだけでもいいので大隈重信の足跡について調べておくことをお勧めします。
【早稲田大学商学部の日本史の対策③】奇抜な形式の問題を過度に恐れるなくて良い!
先ほど紹介したとおり、2022年度まで商学部では「2つ選べ」問題が出題されていましたが、専用の問題集はなく、対策が非常にしにくくはあります。
逆に言えば、対策のしにくさから平均点が低くなる傾向にあって、あまり差のつかない大問であり、気にしすぎる必要はないということを示しています。
論述問題については、非常にとっかかりにくく、重い対策を要するかのようにお伝えしましたが、実はそのようなことはないんですよ。
短い論述問題は、30字程度の論述であり、点数も60点満点のうち2点分しかないため、文字数的にも点数的にもそこまで重くはないからです。
過去問の解答を見てみると、山川出版社の教科書の文章をそのまま書けば解ける問題も多く、今までどれだけ現代史を深く学習したかを問われる問題になっています。
受験生が注意すべき点は、2021年度のみ80字程度の論述問題が出題されており、いつこの傾向が復活するかがわからない点です。
しかし、この傾向が復活しても、点数はおそらく変わらず、難易度もそこまで急激には上昇しないため、そこまで恐れる必要はありませんが、注意はしておきましょう。
ちなみに、早稲田大学商学部と併願する人が多い、慶應義塾大学商学部では、経済系のテーマや短い論述問題が出題され、少し形式が似ているため、対策しやすいですよ!
結論として、早稲田大学商学部日本史特有の、奇抜な問題形式を対策するためには、過去問を中心にその形式の問題をひたすら演習すれば何の問題もないので、ぜひ意識してください。
おわりに
この記事では、2023年度からマイナーチェンジした、最新の早稲田商学部の日本史の情報を、詳細にお伝えしました。
志望校の問題の最新傾向を把握しておくことで、最も効率的に教科の対策を行うことができます。
この記事を参考に、各大学学部の問題を分析したうえで、適切な勉強を行って、ぜひ早稲田大学商学部の日本史を攻略して、合格をつかみ取ってくださいね!