はじめに
勉強をたくさんやっただけ志望校合格へ近づく。そんなふうに思って日々努力を重ねる人は多いのではないでしょうか。
しかしそこには落とし穴があります。
この記事では、難関大合格者の勉強時間や睡眠時間のデータと、実際の意見を踏まえながら、少ない勉強時間で効率的に勉強するためのテクニックを紹介しています。
受験生の方は来年の4月に、高校1,2年生の方は受験生になった際に後悔しないためにも、勉強時間以上に成果を上げる「効率のよい勉強法」をしっかりと身につけましょう。
目次
東大生・早慶生を調査してわかった最短ルートで勝ち取る難関大合格の秘訣
難関大合格の秘訣1|【時間×質】勉強時間と勉強効率の関係を理解する
実際に志望校に合格するために、一番重要なことはなんでしょうか。
それはなんといっても「効率よく勉強する」ということです。
勉強の成果は、勉強量(勉強時間)と勉強の効率の掛け算で決まります。
しかし勉強時間を増やすのにはやはり限界があります。そこで差がつくのが勉強の質なのです。
戦略を立てて勉強している人とただ漠然と勉強している人では、同じ時間勉強していても本番で大きな差が出ることは容易に想像がつくでしょう。
案外、受かる人と落ちる人の間に勉強時間の差はあまりないのです。むしろ難関大合格者は、トータルの勉強時間は少ないのに大きな勉強の成果を挙げ、合格への切符を勝ち取っています。
難関大合格の秘訣2|短い勉強時間で最高の勉強効率を目指す
難関大に合格する人と不合格になってしまう人は、勉強の効率が違うと言えます。つまり同じ時間勉強していても、そこから得られる成果が違うということですね。
まずは、合格者と不合格者の間に勉強時間の差がないことを見るために、それぞれの受験生が何時間勉強していたかを見ていきましょう。
高1・2年次の平均勉強時間
合格者平均 | 1.57時間 |
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不合格者平均 | 1.33時間 |
合格者・不合格者共に高校1・2年生の間の勉強時間はそれほど変わりません。
合格者・不合格者から寄せられた意見の中で、最大の違いがあったのが授業への集中度。
不合格者は授業を疎かにしがちだったという反省をしているのに対して、合格者は1回1回の授業に全力で取り組んでいたとの意見が多数寄せられました。
学校の授業(または塾の授業)というのは全員に共通に与えられている時間なのですから、その時間を集中して取り組むか、集中しないでだらけてしまうかで大きな差が生まれてしまうのは当然のことと言えますよね。
特に部活をしていて、かつ難関大に合格することができた人の多くは、それほど多くの勉強時間を取れない中で、課題や授業の予習復習など最低限のものをしっかりとこなし、授業中に最大限の学習効果を得ていたということですね。効率的な学習法であると言えます。
高3年次の平均勉強時間
夏休みまで
合格者平均 | 3.82時間 |
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不合格者平均 | 3.77時間 |
高校3年生の夏までの勉強時間も、両者ともそれほど変わらないという結果に。この辺りは高校1・2年生の時と生活のスタイルがそれほど変わっていないと思われますが、勉強時間は全体的に伸びています。
夏休み
合格者平均 | 6.21時間 |
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不合格者平均 | 6.59時間 |
学校の授業もなくなり、部活等も引退する人の多い夏休みは、やはり勉強に費やす時間も多くなります。
しかしなんと夏休みは、不合格者の方が平均の勉強時間が少しだけ多いという意外な結果に。
合格者は勉強時間は短いにも関わらず、難関大学に合格していっているのです。
不合格者からは以下のような意見が寄せられました。
このように闇雲に勉強したり、他人に流されたりでは、勉強の効率が上がるはずがありません。
勉強するとは、問題集を解くことでも、机に向かうことでもありません。
机に向かい、問題集を解き、その結果、そこから何かを得ることが勉強なのです。
つまり、もっとも優先すべきは勉強の量そのものではなく、その勉強から何が得られたのかという中身・質なのです。
まさに、この言葉の通りですね。
勉強時間をその日の目標にするのではなく、その日の勉強で何を得ることができたかを目標にすれば、机に向かっているだけという自体は防ぐことができます。
難関大合格の秘訣3|バランスを意識した計画を立てる
少ない、あるいは人と同じくらいの勉強時間で、人よりも多くの勉強の成果を得るためには、どのようなことを意識すればいいのでしょうか。
今回実施したアンケートでは、様々なことのバランスが重要だとの意見が多数寄せられました。
以下にそれらの意見をまとめているので、勉強する際に参考にしてください。
インプットとアウトプットのバランス
インプットとは知識を入れる勉強のことで、アウトプットとは得た知識を使って問題を解く、問題演習のことです。
焦って問題演習ばかりしても伸び悩みますし、逆に知識ばかりを詰め込んで、問題演習を怠ると入試本番に弱くなってしまいます。
自分の現状に合わせてこれらの勉強をうまく振り分ける、適切な比率を保つことが重要、との意見が多く寄せられました。
例えば、ある分野を勉強するというとき、基本的な部分から怪しいという場合はインプット重視で、その分野の基礎の理解を深めることが先決と言えますし、基礎が固まっている状態であれば、問題演習を積むことで応用力を養う、アウトプット重視の勉強法が適切であるということになります。
つまり「自分は今どちらに時間を使うべきなのか」を意識すること。
それと共に、自分の現状(基本ができてないのか、それとも応用力を養うべき段階なのか)を把握することが重要になってくるのですね。
共通テストと二次試験のバランス
共通テストと二次試験の比率は大学によって様々ですが、共通テストを利用する大学を受ける場合、大抵共通テストでの失敗は致命傷となります。
まず共通テストで目標点を取れる目安を立ててから、二次試験の勉強をすることが重要、との意見が多数寄せられました。
受験生は自分が共通テストを受験するちょうど一年前の時点でその年の共通テストで出題されたものと全く同じ問題で実力を確かめておくと良い、という意見も。
自分の勉強時間を、共通テストの勉強に使うべきか、二次試験の勉強に使うべきか、これを意識することが重要と言えそうです。
教科ごとの勉強量のバランス
得意科目と苦手科目。ついつい苦手科目を敬遠してしまう、ということはよくあると思います。
しかし、教科の選り好みをしてしまうのはよくありません。
得意科目を伸ばして、苦手科目をカバーする、というのも一つの手ですが、こと大学受験に関しては、苦手科目を作らない方が合格の可能性がうんと高まります。
大学入試問題は、易問から難問までをバランスよく問題を配分しているため、高得点ほど取りづらく設計されています。
ですので、たいていの場合、得意科目でより高得点を目指すよりも苦手科目で人並みの点数を目指すという戦略の方がうまくいきやすいと言えるのです。
当たり前のようで忘れがちなのが、志望校の配点で比重の高い科目を重視してやる、ということ。
多くの試験では英数国の比重が高いと思うので、理社で挽回しようと思う前にまずは英数国でしっかり点数をとれるように勉強することが重要ですね。
難関大合格の秘訣4|適度に休憩し集中力を持続させる
1回の勉強時間と休憩時間
勉強効率を上げるためには、適度な休憩を挟むことが重要という意見も寄せられました。
Q:1回の勉強時間は何時間ですか?
この結果からわかるように、一度休憩を挟むまでの勉強時間は1~2時間前後の人が6割を占めていました。
などの意見もあり、ただただダラダラと続けて集中力が途切れるよりも、ちゃんと適度に休憩を挟みそれをモチベーションに勉強した方が集中して長く続けられるため効率が良いということでしょう。
実は人間の集中力の限界は約90分と言われています。
よって90分を1度の勉強時間の目安とし、疲れてきたら10分~15分休憩をすることが重要です。
ポモドーロテクニックとは、これまた一風変わって面白いですね。
また勉強中に急に睡魔に襲われることもあると思います。眠くなってきたら10分~15分仮眠をとるのも効果的。
このような仮眠はパワーナップ(強力な昼寝)と呼ばれ、通常の睡眠の3~4時間分に相当するとも言われています。
つまり少し寝るだけでも頭がすっきりするのです。
ただし寝すぎは禁物。寝すぎると逆効果になってしまいます。
あくまで10分~15分の仮眠にとどめておくべきです
過度の仮眠は、夜間の睡眠の質を低下させます。つまり翌日の勉強効率に影響を与えてしまうのですね。
難関大合格の秘訣5|睡眠時間を6時間以上確保する
勉強時間が足りないからといって、睡眠時間を削る人がいますが、これはあまり得策ではありません。
睡眠時間が普段に比べて極端に短い場合の集中力は、なんと平常時の30%以下とも言われています。
集中力が下がるということは勉強の質が下がり、ひいては勉強の成果が下がるということです。
実際に難関大に合格した先輩たちはどのくらい睡眠時間を取っていたのでしょうか。
高校1・2年時と受験生時の平均睡眠時間
高校1・2年時の平均睡眠時間
受験生時の平均睡眠時間
どの結果に焦点を当てても、みなさんある一定の睡眠時間は取っているようでした。
グラフからは受験生になったからといって、睡眠時間を削って勉強はしていないということが読み取れますね。
難関大に合格した先輩方からは、しっかりと睡眠時間は確保すべき、という意見が多数寄せられました。
といった意見もあり、睡眠時間は削るよりも、確実に6~7時間はしっかりと確保したほうが効率良いという結果に。
適度な睡眠こそが結果を導きます。どんなに切羽詰まっていたとしても、基本的に睡眠時間は削らないことが鉄則ですね。
何度も繰り返しますが、勉強量を確保したいがために睡眠時間を削るというのは邪道です。
これは、勉強は時間を目標にするべきではないという話にも繋がってきますね。
睡眠は人間の三大欲求の一つであり、生活していく上で不可欠な行為でもあります。決しておろそかにすることなく、しっかりと睡眠時間は確保してくださいね。
勉強と睡眠の関係はこちらの記事にも書いてあるので、ぜひ参考にしてください。
おわりに
意外とささいなことのように思えるかもしれませんが、この積み重ねが大きな差を生み出します。
自分はただ漠然と勉強していたと思った人は、今からでも遅くないので、ぜひ勉強のやり方を見直してみてください。
そして、がむしゃらに頑張るのではなく「実を結ぶ努力」を目標にしてください。そうすればきっと受験までの伸び方も全然違ってきます。
量では差をつけることは難しいですが、質の面で他の受験生に大きく差をつけてしまいましょう!
少しでも多くの受験生が効率の良い勉強法を身につけて、受験を乗り切ってくれることを願っています。